筒井康隆の同名の連作推理小説を原作としているが、原作とは異なり本作は一族の財でハイテク装備で備え、捜査で生じた損害を相場の２倍で補償する近未来SF刑事アクションの作品となっている。
原作の捜査に巨万の金を使うという点以外はキャラクターもテイストも違うものになっているため、原作を知っていると違和感を覚えると思うが、別ジャンルの作品として観ると、なかなかの良作だと思う。
富豪刑事こと神戸大助は、事件解決のために惜しみなく巨額の金を使う徹底した合理主義者に対し、コンビを組むことになる加藤春はそんな彼のやり方に反発する熱血人情派の刑事ということで、規格外を定番の中に取り込むことで安定感のある展開に仕上げている。
序盤は一話完結で、このまま最後までいくのかと思いきや、中盤以降は大助の一族が絡む大きな陰謀の話になっていく。序盤の一話完結が続くのもありだし、中盤以降の展開もありだと思う。
