「金融街」という異次元の闘技場で、「ミダスマネー」をやり取りして「アントレプレナー」というプレイヤー同士が「ディール」と呼ばれる対戦を繰り広げるバトルファンタジー。
ただし、ミダスマネーは現実世界でも使用可能であるため、現実世界の経済に影響を与えるほか、個人の未来を担保にして発行されるものであるため、ディールの結果は現実世界に影響を与える。
細かい用語が多いので、説明が難しいが、物語の世界観を極力簡単に説明すると、こんな感じになるだろうか。
序盤から中盤は、対戦相手のお金にまつわる人間ドラマや対戦の結果によって変わる現実世界の話が見どころになっており、終盤は物語の世界の危機の話となっており、ベタだが展開も悪くない。
主人公と父親の伏線も未回収だったりして、2期目を続けられそうな終わり方だが、10年経っても続編が制作されなかったことからも、イマイチという評価になるのかもしれない。
他に観るものがないようならば、じっくりと考察してみてもいいかもしれない。
以下、若干のネタバレ
世界観と展開はいいのだが、対戦におけるライフゲージやスキルゲージである「ミダスマネー」の担保となる「未来」の概念は作品を観る限り「幸福度」のような感じだが、すごくあいまいに思える。対戦の結果変わる現実世界も、自分の生き方を変えれば何とかなりそうだったりする。人によって「未来」(幸福)は違うのだ、ということを言いたいのか?
危機を前にしたとき、ミダスマネー発行による危機の回避の賛否を、現在VS未来の選択とするのも苦しい。赤字国債の発行にたとえているのかもしれないが、なんか違う気がする。そして、ラスボスの個人的問題との絡みもよくわからない。
こうした惜しい部分が話が進むにつれて拡大していくので、最終的にはもやっとしてしまった。