ウシュアイア

HUNTER×HUNTERのウシュアイアのレビュー・感想・評価

HUNTER×HUNTER(1999年製作のアニメ)
4.5
秘宝、秘境、珍獣など「未知」への挑戦に人生をかける「ハンター」である生き別れの父ジンを追ってハンターとなった少年ゴンと仲間たちの物語。

言わずと知れるジャンプ連載の大人気作品のアニメ化作品。
1999年版は放送ではヨークシンシティ編までOVAでグリードアイランド(GI)編。

この頃はアニメのデジタル化が進んでおらず、基本セル画アニメのようだ。画面は全体的に暗めで、同じフジテレビ系列で放送されていた『幽遊白書』の終盤の雰囲気を引き継いだ印象を受ける。
2011年版と比較してみてもセル画とデジタルの違いや画質の鮮明度の差はあるものの、放送時間帯やターゲット、『HUNTER×HUNTER』という作品への制作陣の解釈の違いはあるが、作品のクオリティに遜色はない。

特にヨークシンシティ編は2011年版はゴン・キルアサイドの空気感が支配的なのに対し、本作はクラピカ・マフィアサイドのアングラ、ダークな空気感が支配的で、ヨークシンシティ編は本作の方がいいという人が多いのもうなずける。観る機会があるならばヨークシンシティ編だけでも見比べるといろいろ発見があるかも知れない。

改めて2011年版と見比べると、同じくリメイクされた『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』でも言えることだが、放送局は違えど、新作は旧作をある程度尊重していることが分かる。原作者の意向もあるだろうが、ゴン、キルア、レオリオ、クラピカのメインキャストについてはほぼ違和感がなく、それぞれの良さがあり甲乙つけがたい。(ただし、キルアについては新作の伊瀬茉莉也さんの方が好きかも。)

一方で、大きく違うのはヒソカとイルミ。ヒソカはキャラクターに対する解釈の違いが演技に出ている気がする。イルミは2011年版は男性の松風雅也さんが演じたが、本作は女性の高乃麗さん。ゾルディック兄弟はキルアとミルキ以外は性別不祥な中性的で、女性だからこそかえって不気味さが増幅され、リアタイ時の強烈な印象が残っている。ハンター試験でのイルミとキルアの対峙シーンは旧作でも名場面なので、こちらも見比べて欲しい。

あとは、2011年版の富永みーなさんも良かったが、TARAKOさんのまるちゃんじゃないセンリツの演技も印象に残っている。
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