kkkのk太郎

おジャ魔女どれみのkkkのk太郎のネタバレレビュー・内容・結末

おジャ魔女どれみ(1999年製作のアニメ)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

魔女見習いの少女、通称”おジャ魔女”たちの成長を描いた魔女っ子アニメ『おジャ魔女どれみ』シリーズの第1シーズン。

「世界一不幸な美少女」を自称する小学3年生の春風どれみは、魔女に憧れる元気な女の子。ある日、怪しげなお店で本物の魔女マジョリカと出会ったことをきっかけに、どれみの魔女修行が始まった…。

『魔法使いサリー』(1966〜1968)や『ひみつのアッコちゃん』(1969〜1970)に始まる、東映アニメーション伝統の魔女っ子アニメ。それらの流れを汲む正統な末子がこの『おジャ魔女どれみ』である。

東映の魔女っ子アニメという枠で考えれば、『美少女戦士セーラームーン』(1992〜1997)が本作の前身であるとも言えるが、『セーラームーン』が魔法バトルものだったのに対して、本作は魔法を用いた日常コメディものであり、同じ会社が作った女児向けアニメとはいえ、両者の目指す方向性は大きく違う。

『おジャ魔女』が放送されていた日曜8:30、通称”ニチアサ”で現在放送されているのは『プリキュア』シリーズ。
これは『おジャ魔女』シリーズの終了から程なくして始まった新たな魔女っ子シリーズであり(『明日のナージャ』?知らない子ですね…)、『セーラームーン』と『おジャ魔女』のハイブリッドのような作風。
すでにシリーズ開始から20年以上が経過しているご長寿作品だが、その土台となっているのはこの『おジャ魔女』シリーズであることを忘れてはならない。

今の子供たちには知られていないかもしれないが、90年代前半生まれの世代からは絶大な支持を集めるこの作品。
自分は世代的にはドンピシャであるが、男の子だったこともありリアルタイムで鑑賞していなかった。
現在YouTubeの公式チャンネルから配信中ということもあり、超後追いながらシリーズ制覇に向けてマラソン中。全部で200話以上…。まだまだ先は長い💦

とまぁ前置きはこのくらいにして。
まず驚かされるのはそのクオリティーの高さ。
昨今のアニメのように、エフェクトが豪華であったりとか作画が凄かったりとか、そういう点で優れている訳ではない。
しかし、ちょうどどれみたちと同年代の女の子たちに寄り添うような、とても温かみのあるアニメであると感じました。
1話として手を抜いて作った回はなく、どのお話もとても優しく丁寧。ゆっくりではあるが、確実に主人公やその同級生たちの成長を描いており、こういう作品を観ていると、やはりアニメは子供のためのものだよな、という気持ちにさせられる。

細田守監督の師匠でもある演出家、佐藤順一さんがシリーズディレクターを務めていることもあって、大人が観ても唸らされるエピソードもある。
特にサトジュンさん自身が演出を手掛けた最終回は見事👏あの寂寥感と清涼感が同居したラストシーンには、大人でも、いや大人だからこそグッとくるものがあるはずです!
派手なアクションはないが、心安らぐ優しさがある。こういうアニメこそ子供たちには見せるべきだと思う。

キャラクターも非常に魅力的。
どれみ、はづき、あいこ、おんぷ。性格も見た目も経済状況も育った環境も全く違うこのおジャ魔女たちが、それぞれ悩みを抱えながらも立派に成長していく。
どのキャラも属性的にはわかりやすいが、微に入り細を穿つ内面描写によって血肉の通った人間として描き出されている。
彼女たちに声を当てている声優陣もまた良い。少々素人っぽさを感じさせる演技なのだが、作られた声じゃない感じに段々と愛着が湧いてきます。

師匠である魔女ガエルのマジョリカや、その使い魔ララ、問屋魔女のデラなど、サイドキャラクターも皆魅力的。
マジョリカなんてかなりのダメ大人なんだけど、そのダメさがまた愛おしいのです🥰

バッドカード集めが途中で終わってしまっていたり、どれみの妹ぽっぷというキャラクターを持て余していたりと、少々気になるところもあるのだが、それは次のシーズンに持ち越されたと判断して良いのだろうか。

魔女失格となった4人がどうなっていくのか、今後の展開を楽しみたいと思います♪
kkkのk太郎

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