kkkのk太郎

ルパン三世 PART6のkkkのk太郎のネタバレレビュー・内容・結末

ルパン三世 PART6(2021年製作のアニメ)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

ご存知『ルパン三世』のテレビシリーズ第6シーズン。

イギリスを牛耳る秘密結社レイブンの財宝を巡り、名探偵シャーロック・ホームズとルパン三世が邂逅する。
そして、ルパンの「母親」が明らかに…?

第9話の脚本を担当するのは『告白』『白ゆき姫殺人事件』の、ベストセラー作家・湊かなえ。
第4話/第10話の脚本を担当するのは『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』シリーズや『花束みたいな恋をした』(出演)の、アニメ界のレジェンド・押井守。


えー、私『ルパン三世』の大ファンでして。
モンキー・パンチ先生の原作は完備。単行本未収録のものも出来る限り集めました。
アニメも、1969年のパイロットフィルムからほぼ全ての作品を観賞しております。
次元の影響で学生時代は髭を生やしていたし、いまだに帽子は標準装備。

『ルパン三世』によって自分のパーソナリティが形成したと言っても過言では無い。
そんな私の感想を言わせて貰えば、今回は最・悪👎
マジでこんなもん観なくて良い。


まず第一に、シリーズ全体の構成がゴミクズ。

『PART4』、『PART5』、そしてスピンオフである『峰不二子という女』など、声優交代後のテレビシリーズと同様、本作は大きな物語の流れの中に、1話完結型の物語を散りばめるという構造で成り立っている。
他作品でいえば『カウボーイビパップ』や『銀魂』なんかの構成に近い。

その主流の内容は「ルパン三世vsシャーロック・ホームズ」というもの。
これが1話2話と続き、次はどうなるのかな〜と思っていると1話完結型の物語に切り替わり、それが3話4話5話…と続く。
ふんふんと思いながら観ていると、また今度は主流の物語に切り替わって、中途半端なところでまた1話完結型に切り替わって…。

いやッ、そんな構成で興味が続くかいッ!!
物語の連続性がブツブツと途切れる為、全く物語がロールしていかない。好転していかない。
段々と主流の物語がどうでも良くなってくる…。

さらに酷いことに、シリーズの途中でシャーロック・ホームズ編が終了。
今度はルパンの「母親」、トモエ編が始まる。
当然、このトモエ編とシャーロック・ホームズ編には何かしらの関連性があるのだろうと思いながら見ていたら、なんと!この2つは全く関係が無かった…。
じゃあなんで同じシーズンでこの2つを扱ったんだよ…😅

このように、『PART1』〜『PART3』のように1話完結型で行きたいのか、『PART4』〜『PART5』のように複数話を使って大きな物語を描きたいのかブレてしまっている為、視聴者としてこの作品とどうやって付き合っていけば良いのかよくわからなくなる。

結局、『PART6』で何を描きたいのか、それを制作サイドが考える事もなく、ただなんとなく適当に作っちゃったんだろう。
そんな志の低い作品にノレるわけがない。


第二に、単純に物語がつまらなすぎる。

構成がクズでも、お話が面白ければ楽しみながら観続ける事は出来る。
しかし、本作は本当に苦痛でしか無かった。だってすげーつまんないんだもん。

湊かなえや押井守など、超豪華なゲスト脚本家の参加が本作の目玉👀
…いや、湊かなえ先生さ、『ルパン』に興味無いのならこの仕事断ろうよ。
湊かなえともあろうお人が書いていい物語じゃないよコレは💦あまりにも駄作。
鼻くそほじりながら適当に書いたでしょ。

大注目の湊かなえ先生がこの体たらく。他の脚本家による作品も悉くつまらない。
主流であるホームズ編&トモエ編も、素人が作ったのかというくらい酷い出来である。
これじゃ、子供も騙せない。

とはいえ、その中で唯一押井守監督だけは非常に頑張っていた。
すっかりマンネリ化した『ルパン』に新しい風を起こそうとされていたと思う。
押井監督の書いた2本の脚本はどちらも人を選ぶものだが、その攻めの姿勢がとても気持ち良い。
いっそのこと、押井守監督にシリーズ構成と総合監督をお願いすればよかったのに…。


第三に、キャラクターがあまりにもダサい。

ルパン三世といえばカッコいい大人の代表。
座り方から飯の食べ方、女の子との接し方、悪党の殺し方まで、全てが粋で洒脱。
それは格好をつけているからではなく、どこまでいっても自然体だから。
ただ普通にしているだけでも溢れ出す大人の色気。それが格好良いのだし、そこに憧れるのだ。

今作のルパンのように、ヒーロー面してカッコ良いこと言っているオッさんに誰が憧れるというのでしょうか?
いつまでも若いつもりでウハウハしている、時代遅れのおじさんを見ているようで、正直かなり辛かった…😢

ルパン以外のメインキャラクターも悉くダサい。
なんか全員カッコつけていて、そこがダサい。そうじゃないだろルパン一味の魅力は…。
というか、ダサいとかそれ以前に、次元も五ヱ門も銭形も不二子も、居てもいなくてもどっちでも良いくらいの、つまらない置物キャラになっていたような気もする。

ここ20年くらいの『ルパン』には全て言えることだけど、制作サイドでルパン三世のキャラクター像をしっかり固めていない感じがする。
「ルパンって普段は飄々としてるけど、キメるときはキッチリキメるイカしたオジサンでしょ〜ん」くらいの、浅〜いキャラの捉え方で作品を作り始めているから、製作者も持て余しちゃって結局ダサいキャラになっているだろう。

山田康雄が存命の間は、ある程度適当な作りでもルパンはカッコよかった✨
だって山田康雄が誰よりも粋でカッコいい存在なんだもん。
でも、山田さん亡き後はちゃんと作り手が意識してカッコいいルパン像を構築しないと。

それは納谷悟朗さんや井上真樹夫さん、増山江威子さんにも当てはまる。
銭形や五ヱ門も不二子も、納谷さんや井上さん、増山さんのカッコよくてお茶目なところがキャラに反映されていた。
役者本人のパーソナリティが、キャラに命を与えていた。
声優が変わってもう10年も経つのに、未だに3キャラともなんかフワフワしているのは、やっぱりちゃんとそれぞれのキャラクター設定が定められていないからだと思う。
今のルパン一味はかつての声優の皆さんが作り上げたキャラクターの上辺をただなぞっているだけ。
これじゃ意思もなく動き回るただのゾンビだよ…🧟‍♀️🧟‍♂️

あと前シーズンからレギュラー入りを果たした八咫烏くん。
このキャラクターはあまりにも凡庸でつまらなすぎるので早々に解雇した方がいい。


これまではルパンをリアルタイムで追いかけていたけど、流石にもういいかな…、と今回のシーズンを見て思った。
アニメーションのクオリティの低さ、CG作画の杜撰さ、お話のつまらなさetc…。
何か一つでも光るものがあれば良いのだが、この『ルパン』はどの要素を取り上げても凄い!と思えるものがない。

声優交代直後の作品には、何か新しい『ルパン』を作ってやるぞ!という意気込みが感じられたが、今は作り手の志の低さが透けて見えるほどに陳腐化している。

一旦声優もキャラデザも制作会社も全部バラして、本当に一から作り直した方がいいんじゃない?
こんなんじゃ、そのうち『ルパン』を観る人は一人もいなくなっちゃうよ。
kkkのk太郎

kkkのk太郎