kkkのk太郎

ラブ、デス&ロボット シーズン1のkkkのk太郎のレビュー・感想・評価

3.8
愛(性)、死、ロボット(SF)を題材とした18篇のアンソロジーアニメーション。

製作総指揮に名を連ねるのは『セブン』『ゴーン・ガール』で知られる映画監督、巨匠デヴィッド・フィンチャー。

『氷河時代』の登場人物である、若いカップルの女性ゲイルを演じるのは『ダイ・ハード』シリーズや『スイス・アーミー・マン』のメアリー・エリザベス・ウィンステッド。

元々は1981年公開のカナダ発アンソロジーアニメ映画『ヘヴィ・メタル』のリブート作品として企画されていた本作。
原点である『ヘヴィ・メタル』は未鑑賞。

『デッドプール』(2016)の監督、ティム・ミラーが設立したCGアニメーション制作会社「ブラー・スタジオ」が手掛ける、悪夢のような18篇。
それぞれのエピソードは完全に独立しており、ランタイムも10〜15分程度と短いのでサクサクと観る事が出来るのだが、その内容はとにかく過激!
オッパイやオチンチンは丸出しだし、内臓ブシャーや首チョンパは日常茶飯事。アニメとはいえ、ついつい目を逸らしたくなるようなどぎつい展開のオンパレードであります。

目を見張るのは、映像のクオリティの高さ。
2D、3D、2Dと3Dの融合、実写とアニメの融合など、様々な形態のアニメがより集まることで作り上げられたアンソロジー形式の作品なのですが、どれ一つとして同じようなアート・スタイルのものはない。
全話が異なるデザインによって描かれており、そのバリエーションの豊富さには驚かされる。
実写と見間違えるほどのリアルさを持った作品から、コミックの絵がそのまま動き出したかのような戯画的作品、幻想的で美しいヨーロピアンな作風のものから東洋的な世界観のものまで、多岐にわたるアート・ディレクションは観客を飽きさせない。

ただ、映像のクオリティは確かに凄まじいものの、ちょっと嫌味な言い方をすると、アニメーション作家の見本市というか、「ブラー・スタジオ」の技術力を世界に見せつけるためのデモ映像のように見える。

露悪的な作品が多すぎるような気もするが、それがこのシリーズの味ってやつなかな?
アニメーションの現在地を確認するという意味で、アニメファンは必見の作品かもね。
kkkのk太郎

kkkのk太郎