kkkのk太郎

ラブ、デス&ロボット シーズン3のkkkのk太郎のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

愛、死、ロボットを題材とした短編アンソロジー・アニメーションのシーズン3。
宇宙を舞台にしたSFや中世を舞台にしたファンタジーなど、9つの短編が揃う。

製作総指揮/第2話「最悪な航海」の監督はデヴィッド・フィンチャー。

フォトリアルなCG作品から、ミニチュア撮影風の作品、カートゥーン調の作品まで、ユニークなアートデザインで楽しませてくれる。
…が、各エピソードの内容に関して言えば、だんだんと既視感あるものが増えてきたようにも思う。
第6話「巣」とか第8話「地下に眠りしもの」とか、なんか前にも観たようなマンネリ感が。
宇宙SFとかアメリカ軍vsモンスターとかはもうお腹いっぱい。「デス」とか「ロボット」を意識しすぎるがあまり、似通った作品が増えてしまっている節がある。もっと自由な発想で、多様な物語を紡いでいって欲しいものである。

今シーズンのベスト・エピソードは監督:デヴィッド・フィンチャー×脚色:アンドリュー・ケヴィン・ウォーカーという『セブン』(1995)コンビが揃った第2話「最悪な航海」!…と言いたいところだけど、やはり第9話「彼女の声」には勝てない。

ちょっと今回は「彼女の声」が凄すぎた。
これは全シーズンの中でもベストエピソードになるんじゃないかな。
信じられないハイクオリティで創造された、残酷だが美しい寓話。
このエピソードの監督は『スパイダーマン:スパイダーバース』のアート・ディレクターも務めたアルベルト・ミエルゴ。
もしも彼がこのクオリティを維持したまま長編アニメ映画を作り上げることが出来たとしたら、おそらくその時は映画史に永遠に名前が残り続けるような偉人として後世に語り継がれることになるだろう。
ミエルゴさんは他のクリエイターとはレベルが違う、本物の天才って感じがするね…。

というわけで、最終エピソードが強すぎてそれまでのエピソードの印象が全てぶっ飛んでしまったシーズン3。
おそらくは今後もこのシリーズは続いていくのだろうが、「彼女の声」を超えるものを作るのは難しいだろうな。ここで完結させてしまうのも一つの手だと思うのだがどうだろう?
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