ウシュアイア

ヴィンランド・サガ シーズン1のウシュアイアのレビュー・感想・評価

4.5
Gyaoの短期集中毎日無料配信にて完走。

原作は劇画タッチで読みにくかったため、1巻のみ読了。

時代は11世紀、北欧(アイスランド、ノルウェー、イングランドなど)を舞台にした、ヴァイキングたちの純シリアス歴史ロマン。おふざけ、ギャグ要素一切なく、女子供出番なしのストーリー。そして中世ということもあって、かなり血生臭い部分もガチで描いている。

これまで取り上げられてこなかった時代や背景ということもあって、それだけでもかなり興味深い。WIT STADIO のアニメーションにより北欧の自然、特にヴァイキングの文化が美しく再現され、戦闘シーンの映像も『進撃の巨人』同様にスピード感と臨場感あふれるもので、見ごたえがあった。

ストーリーは少し先の展開が想定の範囲を抜け出さない、ベタな展開で進行していた。

第1期は主人公トルフィンによる、最強のヴァイキング戦士団・ヨーム戦士団の英雄であった父トールズの仇討ちの物語で、デンマークによるイングランド侵攻などの歴史戦記ドラマも進行する。

トルフィンは父を殺した知略に長けた冷酷非情なヴァイキング集団の頭領・アシェラッドを決闘という形でフェアに戦って討ちたいがために、アシェラッド一味と行動し、戦功の報奨にアシェラッドとの決闘を何度も申し込むものの、11年かかってもアシェラッドに敵わない。11年の歳月の中で、極悪非道のアシェラッドの下で働き、非情の修羅の世界に生きる少年トルフィンの顔貌はもうすっかり悪党そのもの。アシェラッドを討てたとしても、その先は?と思ってしまう。仇討ちの話はこの物語のプロローグに過ぎず、そこからどうトルフィンが人間性を取り戻していくのかがこの先の見どころのようだ。

『ゴールデンカムイ』もそうだが、修羅の世界に生きた男が人間性を取り戻していく話はある種の古今東西の普遍的な物語と言える。

(完走後に書き直しての再投稿)
ウシュアイア

ウシュアイア