第２期では物語が大きく動き、金塊の行方のカギを握り網走監獄に収監されている「のっぺらぼう」をめぐって、杉元&アシリパ、第七師団鶴見中尉、土方歳三の三つ巴の展開は手に汗握るものがある。第２期から第３期にわたっては、杉元&アシリパ勢力の敵味方が激しく入れ替わり、目まぐるしさにより物語に没入させられる。
杉元&アシリパの絆も強くなり、孤独と日露戦争で部分的に失われてしまった杉元の人間性の回復、というテーマの深化が見られる。ギャグやサバイバルグルメ要素により、『BANANA FISH』のようなエモーショナルな側面や『MONSTER』のようなミステリ・サスペンスが弱まり、適度な軽さがあるおかげで、重くなっておらず、観やすい作品だ。
第１期から第３期通して言えることだが、いわゆるアイドル的な人気というよりは渋めの演技派をそろえた声優さんがキャスティングされており、名演のオンパレードである。特に、土方歳三役の中田譲治さんの声の震えに凄みを感じるとともに、若き日の土方歳三役には中村悠一さんがしれっとキャスティングされており、両者が重なるシーンでは寸分違わぬ喋り口は名優たちの妙だと思えた。
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