あらなみ

メイドインアビス 烈日の黄金郷のあらなみのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

よかったーーーー!!!!!!!
白笛になったプルシュカと一緒にみんなで第六層に! って話かなー? って思ったら全然知らない人達のお話始まっちゃって、あれ? 間違えた???? ってなった。

なるほど。
今回は第6層の慣れ果て村、「イルぶる」を巡る、過去と現在が交錯するお話なんだね。

6層に着いて、寝て起きたらプルシュカがいなくて、痕跡を元に辿るとそこには、筒状に伸びる物体があり、膜を通った先には「慣れ果て」達の村が形成されていた。
呪いからも守られて立体移動も可能。原生生物達も入ってこない、守られた場所。
しかし、共用語は限られたものにしか伝わらず、そのものが持つ『価値』を計ることで成り立ってる。
共用語のわかるマジカジャの案内によりプルシュカが化粧を施されていることを知り、安心するも、その珍しさから住民達に囲まれる。
メーニャをうっかり傷つけちゃったマァアさんの精算のシーン、自己破産とはいえ、辛かった。皮剥がれたり、腕もがれたりってのも辛いけど、大事にしてたであろうぬいぐるみが粉々になっちゃったのはすごく心が痛かったよ。
このことで『価値』を手に入れたリコ達は、宿に泊まり、ご飯を頂くけれど、リコがお腹を壊しちゃう。
なんかお腹にいいものを、と外に出たレグとナナチだが、外が騒がしくなっていた。
レグは原因のファプタを見に、ナナチは果物と水を得るため、慣れ果てのカシャと一緒に市場に向かう。

ファプタと遭遇したレグ。するとファプタは記憶を失う前のレグのことを知っていて、「約束を果たす」ように迫る。
一方で、ナナチはミーティがいると知り、三賢のうちの一人、ベラフに会いに行くと、そこにはベラフに座れるミーティ(通称・喫ミーティ)がいて、思わず自分の全てを差し出すかわりにミーティを解放してしまう。
一方、ある程度回復したリコは二人が出かけていることを知り、散策へ。
そこでタチの悪い慣れ果てに捕まり、マァアさんに助けられて食堂へ。食堂の女将・ムーギィと、三賢の一人、ワズキャンに出会う。
ムーギィによる言語講座、「イルぶる」の意味が「村・母・揺籠」なの、最初見た時に、故郷的なそういうあれかなーって思ったら、全部見終わって改めて見直した時にガチンコでそのままで震えた。
ムーギィさんに二人が村人は本能的に立ち入れない場所なら調べに行ったかもしれないと教わり、行ってみるとそこには、全裸で監禁された人の姿を保ったヴエロエルコ(ヴエコ)がそこにいた。
ヴエコ、100年単位で監禁されてんのに、食べ物とか排泄とかどうしてんだろ。すっごい謎。
あとでヴエコを監禁したのがワズキャンだってわかるけれど、全裸にする意味ですよ……。

ヴエコを解放して、服を着せたリコ。
レグとナナチの行方を聞くと、ベラフのところに案内して貰う。
そこには、穏やかに眠るナナチとミーティ、途方に暮れたマジカジャがいた。
ナナチとミーティを返してもらうためにベラフに交渉をするリコ。しかし、村に作って貰ったミーティを得るために多く物を失ったベラフは、リコに内蔵や体の一部を差し出すことを要求する。
ナナチとマジカジャ、ヴエコに説得され、とりあえず一旦棚上げ。
村に戻ると「呼び込み」と呼ばれる狩りが行われていて、住民は苦戦し、髪の毛と交換で色々とお願いしたリコの機転により、狩りは終わり、獲物の最後の悪あがきもプルシュカに呼ばれたレグの攻撃で無事に完了(どさくさの中でプルシュカも取り戻した時の、工房の人のセリフが、何気なくキモくてやばい)。
終わった頃に出てきたワズキャンに、ナナチを取り戻す方法を聞くと、ファプタの一部を手に入れろと焚きつける。
ファプタに会うため、レグは再び村の外へ。

ファプタとは、というリコと、ムーギィにおまえ誰? と言われる、ヴエコ。
その答えとして語られたのは、村の成り立ちだった。

捨てられた者たちで構成された決死隊「ガンジャ」。
奈落の底を目指し、原住民のイルミューイと共に第6層に辿り着いた彼らはそこから先に進まず、戻ることもできず、故郷とした。
しかし、綺麗な水だと思っていた「水もどき」により感染。
そんな折に、遺物の一つ「欲望の揺籠」を水もどきの症状が進むイルミューイに与えると、彼女は異形の姿となり、とうとう、欲望の揺籠を嵌め込んでいた胸の穴から、うさぎみたいな形の子供を産む。しかし、飲食ができない子供は衰弱し、翌日には死んでしまう。
とうとう自身も水もどきに侵されたヴエコ。
ワズキャンから与えられた美味しいご飯を口にすると回復。しかしその頃にはイルミューイは異形と成り果て、人間性すらも失い始めていた。
水もどきの症状を回復させた食材はイルミューイが産んだ子供。
そのことに慣れていきイルミューイを崇める決死隊の隊員と、狂えないヴエコ、出来ることをするワズキャンと、高い矜持が故に拒絶し壊れていくベラフの対比がやばい。
特殊な能力のなく「お世話」が取り柄のヴエコが三賢に選ばれたのも、こういうイルミューイに寄り添いながらも一種達観したところなんだろうなぁ……。

やがて体の大きくなったイルミューイは、穴の中心部へと進んで行き、ベラフの絶望からの願いにより「村」へと変貌する。村の膜を通ったベラフは骨張っためっちゃ長い姿となり、隊員も次々と村人になった。
食べられ続けたイルミューイの子供たち。
その恨みを決して忘れることがなかったイルミューイは、「欲望の揺籠」により、最後、ファプタを産み落とす。
この時、なんでファプタを村の外に産んだのか、めっちゃ謎なのよね。
村の中で産んでたら、村人は村の外には出られないし、イルミューイの復讐は秒でファプタによって完了してたはずなのにな……。
なんだろう、その頃にはすでに村の中でヴエコが監禁されてたから、かな……。めっちゃ謎。

で、現在に至る、と。
水もどきの症状が治る子供を産んでる時点で、個人的には、もう食べてくださいって言ってるようなもんだと思ってたけれど、違うってことに衝撃を受けてる。
たしかにイルミューイは、子供が産めない体なために、背中に刺青されて、虐待もされて、村から追放されてヴエコを追ってきたから、子供が産める=存在価値なのはわかるし、それが願いなのもわかるのよね。
それにしても、7歳くらいのイルミューイを子供が産めるか産めないか判断するってどうやって……? 穴の周辺に住んでた原住民、っょぃ……。
その点では、小さい頃から性的虐待を受け続けて子供を産める体じゃなくなったヴエコと共鳴したのは、わかる。
お互いの存在が救いだったんだろうなぁ……。

不死なファプタは、村に入るように火葬砲を放つことを条件にあっさりと腕一本と耳? をレグに渡す。
マァアさんが精算された時もそうだし、この後の、住民自らファプタを食べさせるシーンでもそうだけど、この慣れ果てたちには痛覚はないんだろうか……。
ぴえん。

ファプタの一部を持ち帰ったレグ。
価値が暴落して、村が大騒ぎしてる。
騒ぎを聞きつけたワズキャンに彼の野望を言い当てたリコ、鋭いって言うよりも、私ならこうするって言う思考なのが結構ぶっ飛んでるのよね。
ワズキャンが呼んだ新賢者ジョロイモにより、ファプタの一部を巡る争奪戦の中で、レグが放った火葬砲により、村に穴が開く。
村に入り込み、住民の殺戮を開始するファプタがめっちゃ怖かった。強すぎでは???????
応戦するレグに助けに入ったのは、ナナチの炊く香で誘導されたベラフ。
ファプタの侵入を察知してナナチを解放したベラフは多分、ずっとずっと、この時を待ってたんだろうなぁ……。
最初の村人になってしまい、あんなに頑なに拒絶してた命を食べることもミーティに出会って吸うようになって、でもそんな自分に絶望してたのかもなぁ……。だから、不死のミーティを手に入れるために、自分の身体を差し出すことを躊躇しなかったと思う。
ベラフが死の間際にファプタに伝えたのは、ヴエコやベラフ、ワズキャン達と共に過ごした、母、イルミューイの記憶。
受け取り、呆然とするファプタに、穴が空いたことで出入りが可能になった原生生物が襲いかかる。

ベラフが飼ってる? ちっちゃい子達、ナナチ大好きすぎて新しい装備を作っちゃうの素敵すぎる。
仕事早すぎか。
原生生物に食べられてぼろっぼろになるファプタはさすがに見てて痛々しかったし、ムーギィも言うように、襲おうとしてた子なのに切なくなったなぁ。
村の加護がなくなったから、ファプタも回復できなくなったのか。なるほど。
村人がファプタに一口ずつ、自分の身体をあげるシーン。切断面たゃんと骨と筋肉なのに、痛そうじゃないのが、逆にめっちゃこわい。
復活したファプタは、再び原形生物と戦いに復帰する。
自らの価値を決めるファプタの戦いが壮絶すぎるのよ……。

あと、生まれたばかり? の言葉を知らないファプタと、干渉者のカブールンのやりとりかわいい。
こんなんカブールン死んだあとに持ってくるの、辛すぎるわ。
解せぬ時に「おおおお……」って唸るカブールン、かわいすぎなのよ。
リコ達の似顔絵に書かれた印とお金に書かれた印の意味、全部イルミューイの故郷の言葉だったのか……。
イルぶる、つらい。

生物達から逃げるために下へ下へと向かうリコ達。一足先に避難していたワズキャンの死に際に立ち会う。
ワズキャンに連れて行かれたヴエコの姿はなく、彼女はファプタに会うため上に向かっていたが、流れ込んだ力場の影響で人間性を喪失、成り果てとなる。
ここでかつての決死隊の女の子・パッコヤンが自分が消えるのと引き換えにヴエコを階段の下の方に投げ飛ばした。
ファプタに呼ばれたリコ達は向かう途中、瀕死のヴエコを回収。

プルシュカの援護を得たレグは原生生物に立ち向かう。
ファプタは呼んだ住民達を食べ尽くし、自身も戦闘に戻った。
住民達、食べながら記憶を貰うの、えげつない……。
たしかに村が崩壊したら消えちゃうけれど、たべらるのこわい……。
ファプタの命令によりイルミューイが崩壊していく中でマジカジャに乗って外へと避難する、ヴエコ、リコ、ナナチ、メーニャ、マァアさん。
母の崩壊を見届けたファプタをレグが回収し、合流。
ファプタの中に入ったマジカジャの本体(匂いだって言ってたか)は、崩れていくイルミューイの身体からリコ達を守るために奮闘。
村の消滅と一緒に消えてしまったマァアさんが切なかったーーー!!!!!!!!
マァアさんの価値を(マァアさんのうっかりとは言え)奪ってしまったこと、リコ、ずっと気にしてたんだね。ぬいぐるみ、マァアさん、嬉しかっただろうなぁ……。

そして、ファプタとヴエコの邂逅。
ファプタに、イルミューイのこと、伝えられて、ヴエコよかったね……。
思わず泣いた……。
死ぬ直前の、ヴエコがファプタをイルミューイと呼んでも、怒らずに受け止めるファプタの成長速度、早すぎる。
偉すぎでは? つら……。

ヴエコを弔う時にファプタを冒険に誘うレグ。しかし、さっぱりと振られる。
ファプタ、この短時間で色んなものを失いすぎなのよ……。

次の第七層も楽しみだなぁ……。

それにしても作者、ケモナー幼女好きすぎでは……。
あらなみ

あらなみ