巨匠・浦沢直樹先生のスポーツラブコメの金字塔。
スポーツ漫画のように思われがちだが、あくまでもラブコメ。青年誌の漫画が原作ということで、ちょっとエッチ。主人公が女の子で、カワイイ上に最初から天才的な才能をもっており、基本無双状態なので、サクセスストーリーにはなっていない。
本作を見ると、世間で「YAWARAちゃん」と言われている方とは印象がかなり違うことがよくわかると思う。
強すぎるがゆえに普通の女の子になりたいという葛藤やら娘の天才的な才能を目の当たりにしてショックを受けた父との葛藤、そして時間軸は高校時代にとどまらず短大、社会人まで続くことで、巨匠浦沢直樹先生らしい深みのある人物描写となっている。また、ソウル、バルセロナ五輪が描かれ、現実の時間進行に沿った展開も妙なリアリティを与えてくれる。
CVも素晴らしい。
柔のかわいいルックスにぴったりあった皆口裕子さんの声は言うまでもない。柔を追いかける若手新聞記者の松田耕作役は関俊彦さん。
永井一郎さんと言えば波平だが、お茶目なおじいちゃん猪熊滋悟郎の演技は文字通り神がかっており、自分の中では永井一郎さんの代表作。
そしてアニメの作品の印象を決める初代OPの永井真理子さんの『ミラクルガール』もぴったり。
トータルで” a fashionable judo girl! ”の副題のコンセプトが貫徹されており、完成度の高い作品だったと思う。