FODの見放題での配信が始まり、フォローしているユーザーさんの熱いレビューとレコメンドに応えて見てみた。
泳いでいる時の視界がリアルに再現され、美しいスイマーのフォームの映像表現が素晴らしかった。作画、映像効果、演出のレベルの高さを感じる。
ストーリーは思っていたよりも少年漫画チック。
競技から遠ざかっていたハイスぺ主人公が部活を立ち上げて過去の因縁のあるライバルと戦うという展開は、『H2』を思い起させる。『H2』のみならずあだち充はスポーツを通じて恋愛を描いていったが、この作品ではスポーツを通じて友情を描いている。スポーツが友情を調節するツールとして、目的と手段が逆転して位置づけられており、勝利至上主義のアンチテーゼと言える。これも時代の流れだと思う。後発の京アニ作品『ツルネ ―風舞高校弓道部―』もほぼ同じプロットになっている。
ただ、こうした作品で描かれるている友情は、男から見ると少し依存的に思え、共感しにくい。それが「萌え」の人がいるのだろうが。
やっぱり最近のリアルな人間関係はどんどん希薄になっているし、純粋な子どもの頃の友情を長く持ち続けにくくなっているので、多少ベタベタしていても、濃厚であって欲しいという思いで作られたのかもしれない。
でも、第１シーズン最終話は納得がいかなかった。
自分の感情と人間関係を優先させる幼稚性は、小中学生くらいまでなら許されると思うが、高校生だったらダメだと思う。高校生の友情ならもっとチームメイトの気持ちや立場を大切にして欲しいと思う。
後発で似たような展開をたどった『ツルネ ―風舞高校弓道部―』ではちゃんと修正されていたように思える。
映画、アニメといったフィクションで、願望よりも登場人物への共感を大切にしたいとなると、この手の作品とは相性が悪いかも知れない。
