ウシュアイア

ダンス・ダンス・ダンスールのウシュアイアのレビュー・感想・評価

ダンス・ダンス・ダンスール(2022年製作のアニメ)
4.3
密かにバレエに憧れを持っていた主人公村尾潤平は、バレエの英才教育を受けてきた転校生森流鶯との出会いをきっかけに本格的にバレエダンサーを目指す物語。


スポーツを通じて友情を描く作品が増える中、そんな類の作品かと思いきや、ふたを開けてみると正統派スポ根作品。

主人公の村尾潤平は精神的にどこか幼さが残る世間知らずの中学2年生で、感性と身体能力だけで勝負しようとするものの、大きな挫折を味わい日本のバレエ界のオーソリティの生川綾子の門戸を叩くところまでを描いている。

田舎の弱小サッカークラブのエースがJリーグのユースに入り挫折を味わいながら成長していく『アオアシ』に主人公のキャラクターや展開が似ており、挫折を経て気づきと努力で頭角を出していくあたりは『ブルーピリオド』に通じるものがある。また、女性中心のバレエ界の男子ということでの男らしさの葛藤を昇華し、自分の気持ちに正直に生きることで、自分のやりたいことに努力することは見ていて清々しいものがある。

また、主人公のライバルとなる森流鶯に注目するとキャラクターはだいぶ違うが『四月は君の噓』の主人公有馬公正のようなバックグラウンドが設定され、バレエ界のステレオタイプなドロドロ感(実在するかどうかは知らないが)も織り交ぜられ、濃厚なストーリーだった。

バレエのアニメーションには実際のバレエダンサーのモーションキャプチャーの技術が使われており、映像も躍動感があり、見ごたえがある。

ちょっと登場人物のキャラデザが少女漫画っぽいが中身は激アツ。
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