ウシュアイア

ソードアート・オンラインIIのウシュアイアのレビュー・感想・評価

ソードアート・オンラインII(2014年製作のアニメ)
4.2
「ファントム・バレット編」と「マザー・ロザリオ編」という2つの大きなエピソードと、両者のつなぎの「キャリバー編」の短編からなる。

SAOの第1シーズンを観て、無双主人公のハーレム状態のラノベ特有の展開に食傷気味だったが、第2シーズンはテーマやメッセージ性が強く、名作と言われる所以が分かった気がする。観てよかった。正直なところ、第2シーズンの方が一般ウケしやすい話じゃないかと思う。

「ファントム・バレット編」は近未来のガンアクションバトルの世界で、好みの問題はあるが、剣と魔法のファンタジー一辺倒が好きでもいい口直しになったと思う。キリトとシノンのライバル、共闘といった関係で繰り広げられる展開が熱く、第2シーズンまでのエピソードの中では最高の仕上がりだと思う。

そして特筆すべきは何といっても本編ヒロインのシノンの声優の沢城みゆきさんの演技。リアルのトラウマを抱え内気な少女・朝田詩乃とGGO最強のスナイパー・シノンの演じ分けはもちろんのこと、特にガンアクションにおける息づかいなどの細かい演技はやはり他の声優さんを圧倒している。

「マザーズ・ロザリオ編」では、『竜とそばかすの姫』にも通じる、仮想現実のポジティブな可能性が示されていたのが良かった。否応なしに発展していくことを考えると、ネガティブな側面ばかりではなくどう利用していくか、というシミュレーションも必要だと思う。

<あらすじ>
「ファントム・バレット編」
思わぬ形で何万人の人が巻き込まれ、多くの人が命を失うことになったデスゲーム「ソードアートオンライン(SAO)」の事件からしばらくして、ガンアクションのVRMMO(Virtual Reality Massively Multiplayer Online、仮想現実大規模多人数オンライン)ゲーム「ガンゲイル・オンライン(GGO)」でプレイヤーが怪死するという事件が起こり、SAOからの生還者キリトはGGOに潜り、最強クラスのスナイパーのシノンと協力して事件の真相を探るお話。

「マザーロザリオ編」
ヒロインのアスナが主人公で、アルヴヘイム・オンライン(ALO)でキリトをも打ち負かすプレイヤー・絶剣のユウキに善戦したアスナはユウキに見込まれて、ユウキのパーティーに加わりボス戦の攻略に加わる。ユウキたちは単一パーティーでのボス攻略し、達成するとパーティーメンバーの個人の名前を残すことができることにこだわっている。ユウキとともにボス攻略を達成したアスナはユウキたちの真意を知ることになる。

「キャリバー編」はレアアイテムを手に入れる話なので、飛ばしてもよい。
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