ウシュアイア

最果てのパラディンのウシュアイアのレビュー・感想・評価

最果てのパラディン(2021年製作のアニメ)
4.2
辺境の廃墟の街で、スケルトンの剣士ブラッド、ミイラの神官マリー、ゴーストの魔法使いガスに育てられた少年ウィルは、育ての親から武術、祝祷術、魔法を授けられる。15歳で成人となったウィルは3人の育ての親と別れ、デーモンにより荒廃した外の世界に旅するというお話。


完走したので、更新して再投稿。

異世界転生した主人公のなろう系の剣と魔法のハイファンタジーで、あらすじだけ読むと冒険活劇譚のような感じだが、ヒューマンドラマ主体。

あらすじからおわかりかと思うが、主人公を育てたアンデットたちは訳アリの英雄の成れの果てのため、主人公はそんな彼らから薫陶を受けていることもありハイスペックの状態。そのため戦闘などでは主人公は大したピンチにはならずにあっさりと勝利していく。むしろ主人公のウィルが、輪廻転生を司る灯火の神グレイスフィールの神官としてさまよえる死者を輪廻に回帰させるよう導いたり、信仰を説いて荒廃した人々を救済する、強い権威と力を持つ聖騎士パラディンとしての自覚と責任・ノブレスオブリージュの芽生えと成長、といった濃厚なヒューマンドラマが見どころになっている。また、ヒューマンドラマの屋台骨になっている物語の世界における宗教観や死生観がしっかりしており、かなりの骨太の作品になっている。

内容的にはアニメ化されてはいないが『葬送のフリーレン』に近いものがある。実際、育ての親たちの現役時代の足跡を追うことになる展開と伏線もある。

酷評しているレビューを見ると、なろう系のヒーローものと期待していたり、主人公がなよなよしているとイラつくとあったりするのは鑑賞のポイントがずれており、好みの問題だと思う。原作未読なので分からないが、原作の魅力が再現しきれていないという批判もあるようだが、どうなんだろう。コミカライズがあるならぜひ読んでみたい。

第2期の制作が告知されているとはいえ、第1期の見どころは前半で育ての親のアンデットたちの経緯が明かされ三人と別れるところであり、シリーズ構成上、視聴意欲を引き続ける謎などはなく後半には大きな見どころがない。しかし、噛めば噛むほど味わい深い作品だと思う。

声優は、主人公の育ての親の三英傑として小西克幸さん、堀江由衣さん、飛田展男さんと鉄板のキャスティングは申し分なし。主人公は若手の女性声優さんだが、男性の方が良かったかな。

2021年秋シーズンは、『鬼滅の刃 無限列車~遊郭編』『ブルーピリオド』『86』(第2シーズン)『王様ランキング』(未視聴)といった良作ぞろいの中で、本作は若干精彩を欠いている感もなくはないが、おすすめしたい。

(2021.12.25) 
意外と面白い。

なろう系のハイファンタジーでFilmarksの評価が芳しくないので敬遠していたが、同僚にすすめられて視聴中。

人里離れた辺境の廃墟でアンデットモンスターたちに育てられた少年ウィルがの旅の物語。

スケルトンの剣士ブラッドから武術、ミイラの神官マリーから祝祷術、ゴーストの魔法使いガスからは魔法を授けられた、ハイスペックの神官戦士が主人公。3人の育ての親との交流と別れが丁寧に描かれ、デーモンにより荒廃した外の世界に旅立つ。

剣と魔法の世界のハイファンタジーということで、モンスターの討伐などの話もあるが、主人公は輪廻転生を司る灯火の神グレイスフィールの神官として、さまよえる死者を輪廻に回帰させるよう導いたり、信仰を説いて荒廃した人々を救済するといった濃厚なヒューマンドラマが見どころになっている。西洋風ファンタジーに関わらず宗教観は東洋的というか仏教的でツッコミどころはあるが・・・。

主人公をあえて異世界転生した人物にしたのか、作者の意図が不明いや、必然性が不明。「今度こそちゃんと生きて、ちゃんと死ぬ」とあるが、「今度こそ」はなくても十分な気がする。異世界転生が入ってしまったせいで変に「なろう系」感がでてしまった。

キャラクターデザインは悪くない。

声優さんもベテランの方の起用の仕方がとてもうまい。
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