ウシュアイア

海賊王女のウシュアイアのレビュー・感想・評価

海賊王女(2021年製作のアニメ)
3.4
大西洋を舞台に、流れ者の真田家の七人の侍を従えて、父の遺言に従い「エデン」を目指す有力領主の娘フェナ・ハウトマンの貴種流離譚、時代ファンタジーアドベンチャー。

2,3話観て放置していたのを残りを一気見して完走したので再投稿。

結末はさておき、序盤で分かることだが大筋は『ふしぎの海のナディア』、もしくは『天空の城ラピュタ』のようなお話。失われた財宝への鍵を握る女の子が周囲から守られながら、財宝にたどり着くというよくあるお話。アシリパ視点の『ゴールデンカムイ』もそう。

実在するドイツの宝飾技工の街イダー=オーバーシュタインをモデルにしたリバーオーバーシュタインという街でフェナのもつ石の謎解きのヒントを見つけたり、歴史ロマンの要素(日本ならもしも土方歳三が生き延びていたらという類の話)を入れたりして、物語の世界観ががっちり固まっていてストーリーは途中までは良かった。

キャラクターも主人公のフェナのクセが強い以外は、オーソドックスで魅力的。

ただし、他のレビュアーさんも指摘の通り、話の結びがめちゃくちゃ。
ラピュタに相当する「エデン」にたどり着くが、とりあえずエデンにはまっとうな海賊をなぐさめてくれる財宝はあったが、エデンの位置づけ、フェナのエデンにおける使命がひどい。「君はエデンを宝島か何かと勘違いしてるのかね?」と言われても「エデン」を宝島にしてお家の権威を取り戻すアイテムゲットでよくないか?真田一族や紫檀の利害とも一致するわけだし。

作画、音楽、声優が良いので、ストーリーで奇を衒わなくても、侍が出てくる18世紀歴史ロマンのベタな宝探しの方が作品の完成度は高くなっていたと思う。それだけに本当に残念。

(1話視聴時点)
日本では2021年秋クールで放送され、FODで独占配信されている作品だが、北米では先行して放送されている。Wikipedia英語版では英語だがネタバレであらすじが載っている。IMDbやcrunchyroll のユーザー評価はやや少ないものの、比較的高評価のようだ。

西洋の海賊×侍といういいとこどりの時代ロマンで北米先行公開ということで、海外輸出を前提とした作品で、アニメ業界のグローバル化を感じる。

大西洋を舞台に、流れ者?の真田家の七人の侍を従えた有力領主の娘フェナ・ハウトマンの貴種流離譚、時代ロマンアドベンチャー。

1話の時点では、フェナは父の遺言に従い「エデン」を目指すことになるだろうが、おそらく家臣を含めたお家の再興が目標で、英国海軍と海賊との三つ巴の戦いとなるのだろうか。

作画、音楽、映像はクオリティ高め。シリアスで攻めるのが王道だとは思うが、コメディタッチのシーンを盛り込んだ脚本は吉と出るか凶と出るか、今後の展開次第。

瀬戸麻沙美を主役に要所に櫻井孝宏、悠木碧、森川智之を置いたキャスティングはなかなか手堅い。
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