たまたま見る機会があり、この手の作品に少し思うところがあるので、投稿させていただきます。
『フットサルボーイズ!!!!!』というタイトルどうでしょう。
『チア男子』のように「○○男子」「○○ボーイズ」の「○○」のところにスポーツなどが入る場合、男性のプレイヤーが絶対少数の競技に対して使われるのであれば意味があると思う。それでも男子新体操を取り扱った『バクテン!!』（未視聴）に『新体操男子』『新体操ボーイズ』なんてタイトルはついていない。このご時世「○○男子」という表現自体が極端なジェンダーフリー論者の標的にもなりかねないということもあったりなかったり。
スポーツ作品の場合、サッカーの作品でタイトルに「サッカー」という単語が入ることはほとんどなく、その競技関する用語などをタイトルに入れたりするのが多いが、マイナースポーツを取り扱う作品となると競技に関する用語を入れるのも難しい。競技名をタイトルに入れければ水球を扱った『RE-MAIN』（未視聴）のようにタイトルだけでは何のアニメだかさっぱり分からなくなるという問題もあるのだろう。競技名を入れるならせめて『灼熱カバディ』くらいのタイトルはつけられなかったのだろうか。
タイトルの話だけで長くなってしまったが、この作品は恋愛要素なしのイケメンキャラによるスポーツ作品で、『Free！』のように基本的には女性向け。フォローしているユーザーさんが教えてくれたが、まず「推し」のキャラを作って応援するのがこの手の作品の楽しみ方だそうだ。とはいえ、最近のヒット作『鬼滅の刃』にしても『呪術廻戦』にしてもメインキャラ以外のキャラが立っているので、「推し」ができやすいことはヒットの要因なんだろう。
でもその先にあるのは作品そのものよりもグッズ販売やソシャゲ（CMがすごく熱心）の課金。「推し」を作らせるって、構造的にはA〇Bとか〇坂のマーケティングと同じ。
そしてメインキャストの声優の方もどうやら全員ほぼ新人のよう。ざっと聞いている限りでは、消えていったかつての新人声優よりはうまい。人気声優を起用すれば話題になりやすい気もするが、新人声優の方がイベントなどにかり出しやすいという事情だろうか。
そんなことで、作品以前にメディアミックス展開といえば聞こえはいいが、このアニメの企画自体に作品そのもので勝負しようという意気込みが感じられない。
実際、中身はどうか。
実際に声に出すのも憚れる技名を叫びながらシュートを決めたりしているし、フットサルの魅力が伝わってこず、スポーツ作品としてはアウト。人間ドラマも女子向けのありきたりで、ストライクゾーンが広いとは思えない。
ソシャゲとの連動もいいが、作品自体で勝負してほしい。
