ウシュアイア

永久少年 Eternal Boysのウシュアイアのレビュー・感想・評価

永久少年 Eternal Boys(2022年製作のアニメ)
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FODの先行配信にて4話まで視聴。
(完走したらスコアをつけて再投稿予定)

アラフォーのおっさん6人がアイドルデビューを目指すお話。

15分枠で、OP、ED除くと賞味1話10分。

真面目だけが取り柄の冴えないアラフォーの真田健太郎は、勤めていた会社の倒産による就職活動で芸能プロダクションの新規事業プロジェクトのメンバーの採用面接を受けたところ、元中学教師の石田直樹、元Jリーガーの浅井悠、元子役の今川剛、元No1ホストでホストクラブ経営者の柿崎誠、元モデルで元芸能プロダクションマネージャーの山中大輔とともにおっさんアイドルグループ・永久少年としてデビューすることになる。

そもそもアイドルって何だろうか。

90からゼロ年代に活躍した安室奈美恵やSPEED、ハロプロの後藤真希や松浦亜弥は歌唱やダンスのパフォーマンス力は高かったし、今のアイドルというよりもアーティストで、当時はアイドル氷河期時代と言われてのがよくわかる。
おっさんアイドルと言われ純烈を思い浮かべてしまったが、ファンとの距離との近さを売りにしているが、彼らは歌謡コーラスグループを名乗っている。年齢を重ねたジャニーズのグループだって、もはやグループとしての活動ではなくれっきとしたアーティストとしての活動がメインになっている。こうして考えてみると、AKB48以前はよくわからなかったが、AKB以降、何者でもない人の成長過程を応援するエンターテイメント、と再定義された感がある。

今のアラフォーは就職氷河期に社会にでた他の世代と比べて不遇の世代で、運悪く何者にもなれなかった、もしくは何者でもなくなってしまった人が多い世代である。エンターテイメントとして成り立つかどうかはともかくとして、本作は一部を除き何者でもない(なくなった)おっさんたちもアイドルになりうるというわけである。

第4話までを見た感じだと、アラフォーあるあると若者への対抗意識を交えながら、『ゾンビランドサガ』のような典型的なアイドルサクセスストーリーで展開していきそうで、想像以上でも想像以下でも感じである。

ターゲットはやっぱりアラフォーなんだろうか。共感ポイントも然ることながら、不遇を時代のせいにしてはいけない、何歳だってチャレンジはできる、チャレンジや努力をやめたら本当のおっさんになってしまう的なメッセージ性が一番刺さるのは登場人物と同世代なんだろうか。

一番気になるのは彼らのアイドルとしての活動終了後。現にアイドルを卒業したメンバーは、アナウンサー、実業家、一般企業の会社員、政治家など様々なキャリアがあるが、永久少年の全員が全員、芸能活動を続けるようにも思えないし、どんな人生を切り開いていくのだろうか。

キャスティングで注目するのは柿崎誠役の佐々木望さん。佐々木さん自身、Wikipediaによると2013年に東大に合格し、2020年に東大法学部を卒業しており、まさに永久少年のチャレンジ精神を地で行っている。そういう背景もあってか、声も若々しく演技に説得力もある。
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