ウシュアイア

ID:INVADED イド:インヴェイデッドのウシュアイアのレビュー・感想・評価

4.0
警察の特殊捜査モノで、犯罪現場から採取した殺意の残留思念から犯罪者の精神世界を構築し、そこに潜り込んで事件を解決する、といった日本を舞台にした近未来SFサスペンス。

年末年始を利用して2周目の視聴。

1周目のときは純粋にSFものとして設定やミステリとしての伏線が張り巡らされた脚本から面白さを感じたものの、『PSYCHO -PASS』シリーズと『攻殻機動隊S.A.C』シリーズを観た2回目になると、少し物足りなさを感じた。

SF警察サスペンスのもの金字塔である2作は、技術革新が進んだ未来における人間のあり方や社会のあり方を問いかけているのに対し、本作はそういったテーマ性が若干薄いように感じた。その理由はこの作品には黒幕がはっきりと存在しながら、黒幕の行動原理、黒幕にとっての「正義」の設定が見えてこない点だと思う。

とはいえ、作中の犯罪者たちの心象風景世界の描写は納得できるような意味づけがなされており、示唆に富んでいた。

すべての問題が完全に解決されてはいないので、第2シーズン以降がありそうな終わり方をしている。強い信念をもつ悪役やテーマ性を置いて、未解決だった問題をうまくまとめる続編の制作を希望。

(初回完走後2021年5月) スコア4.4
原作の無いオリジナル作品ということや、設定を理解するのに少々時間がかかるが、「ミズハノメ」で犯罪者の精神世界に入って「名探偵」になってしまうと現実世界での記憶はなくなってしまうという設定なので、自分も「名探偵○井戸」になったつもりで謎解きに参加しているような気持ちにさせてしまう仕掛けは秀逸だ。

映像化された精神世界もなかなか奇想天外で、映像も見ごたえがあった。
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