なっこ

We Best Love 2位の反撃のなっこのネタバレレビュー・内容・結末

We Best Love 2位の反撃(2021年製作のドラマ)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

愛を前にして一番勇敢だったのは誰か

すごく印象に残る言葉だった。私は、そんな風に考えられるだろうか。すれ違ったり、相手を思って身を引いたり、お前のためだとか言って誰かを遠ざけさせたり、愛故に人は間違うし、他の違う選択肢が見えなくなってしまったりもする。

でも、自分のたどった道を振り返って考えて、こんな風に言えるだろうか。

自分は勇敢だったろうか、そう自分に問える主人公こそ、愛に対して勇敢な人だと思う。彼はもちろん、その問いによって、想い人の即決の愛の大きさに気がつくのだけれど。

台湾ドラマの描く恋愛って、愛情がとても“深い”と感じる。深くてとてもあたたかい。5年、12年、時間をかけて相手を思えるってすごいこと。

愛を阻むのも愛だからこそ、厄介。結婚というきちんとしたかたちを目指すからこそ親の理解を取り付けるのに苦労する。古今東西そうやって恋人たちは試されてきた。でも、愛を前にして勇敢だったかどうかを基準に考える、彼らの愛し方はとても素敵。

執着や嫉妬、束縛、依存、これが愛だと差し出すものに、何か不純なものが入り混じる、厄介なのはそれがまがいものだと自分でも気が付かないことだ。伝わらない、響かない、受け入れてもらえない、一途なつもりの自分の愛が届かないもどかしさを、3組目のカップルからは感じた。かつての教え子と校医。ひな鳥と親鳥のように、最初につかんだものを愛だと思う気持ち、それはすごくよく分かる。でも、彼がその重たい愛から逃げ出す気持ちも分かる。拒むのも、分かる。メインカップルよりも、こちらの愛の行方にシーズン2は見入ってしまった。

結局のところ、恋愛って厄介で避けて通りたいとか思っているのに、恋愛ドラマに惹かれるのは、やっぱり恋愛でしか勝ち得ない愛や信頼の大切さを教えてもらえるからかもしれない。私は振り返ったときに愛に対して勇敢だったとは到底言えない。だからこそ私も勇敢だったと言える人生にしたいと思った。

シーズン1と2では、視点が違う。それにしても、シーズン通して、周書逸(ジョウ・シューイー)役ユー(YU)が可愛いらしくてたまらない。もう、恋人の母親の前で良い子になろうとしてやったことのない皿洗いとか台拭きとかして、めちゃくちゃになるところとか笑った。箱入り息子だよね、そりゃお父さん溺愛するよね、という可愛さ。もういいよ、座ってなよ、あなたはそこで座ってにこにこしてくれてたら良いからって、互いの性別忘れて言ってしまいそう、私。

くっついたり離れたりの恋愛ドラマの何が面白いのかって、多分、本当の愛は、ちゃんと相手を成長させるってことを真摯に描いてくれるところだと思う。彼らの成長とハッピーなエンディングで、こっちまで一緒に素敵な時間を過ごした気分になる。それだけでもう十分に見る価値はあった。
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