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リトル・ドリットのtorakoaのレビュー・感想・評価

リトル・ドリット(2008年製作のドラマ)
3.0
BBCらしい手堅い作品。DMMで借りた。2枚組ゆえセール時お得感あったので。428分。
穏やか癒し美声のマシュー・マクファディンさんが、善良でちょっと弱気な中年(と本人が思ってるっぽい多分三十代)に物凄くハマってる。信頼と好意を寄せられるのも無理ない感じに仕上がってて、でもそこまで存在感強くなくて最初のご令嬢に相手にされないのもわかる感じ。マシュー・マクファディンさんの正しい使い方はこれだ、という最適解を見せられた気分。『プライドと偏見』は役の設定から離れてると思いましたよ。
主人公も監獄で育ちつましい暮らしをしてきた薄幸感もありつつ華やかすぎず美人すぎない美人というドハマり感で、よくまあこれほどぴったりな人キャスティングしたなーと感心しきりだった。

債務監獄とかいう借金返済できなかった人が入れられる緩めの施設、他の何かでも出てきた気がするんだが、そこに入れられてるから働けない、なので返済できるはずもないという謎システム。そこの最長老?が父で、そこで育ち、裕福なお家に通いで働きながら家計を助ける真面目なヒロインと、ちょっとアレな家族達。という世界名作劇場とかジェイン・オースティンとかによくある感じのやつなので、いつものやつ的な安心感はあるのかなー。悪役が人殺したりするし、ほんのりサスペンス、ミステリー要素があるあたりは男性作家らしさかも。

好感持たれそうな二人がメインで、それほど癖もアクも強くない作品なので、地味めな文芸ものが嫌いでなければいけると思う。
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