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超光戦士シャンゼリオンのtorakoaのレビュー・感想・評価

超光戦士シャンゼリオン(1996年製作のドラマ)
4.0
「俺がヒーロー!?超ラッキー!」なヒーローと、ちゃらんぽらん(死語だろうか)な男がうっかりヒーローになってしまって困惑しながらもヒーローとして働いてもらうべく奮闘する研究所の人達の話。コメディヒーロー特撮もの。

マイ★ヒーローというAmazonの月額の何かで視聴可能な模様。

特撮ヒーローでコメディというのが新鮮で(あとカブタックしか知らない)、とぼけた脱力ドラマから、毎回使い回しの微妙な変身シーンを挟んでぴかぴかのカッコいいヒーロー・シャンゼリオンになるあたりも好きだった。

多分誰もがアフレコだとわかってしまうダメ感溢れる演技が気になりすぎるし、チープさが明確に見えるような妙に明るい画面とか低予算感ありありなのも気になるが、それもまた味わいか、という気もしないでもない。思い切りB級感を楽しんで作ってる感じ。

主役の萩原崇はアフレコが苦手らしく微妙な演技と常に半笑いな感じが気になるが男前。仮面ライダー龍騎だったかに蛇柄衣装着て出てた人。
ヒーローものインド映画『フライング・ジャット』の主役タイガー・シュロフが顔ちょっと似てる。

シャンゼリオンになってしまったダメ男・暁に対し、本来シャンゼリオンになるはずだった男・速水は真面目な正義漢で、彼と美人研究所員(大体そんな感じ)はグータラでいい加減な暁にイライラしたり説得しようとしたり、のらりくらりと改める気配がないままに何だかんだで暁が毎回敵と闘ってくれたり。って感じのゆるい作品。徐々に主人公らしく成長してはいくけど、人間そう簡単には変わらない。

敵はダークザイドとかいう地球外生命体で人間に擬態してるんだったかなー。で、変身する。箸袋集めてる敵とか、ヒーローはこうあるべしとダメ出しして指導してくれる敵とか、割とヘン。中ボスだかラスボスだかの人がクラシックをバックに薀蓄語ったり「ブラックアウト」て言って変身してたのは憶えてる。

当初、確かにこの人ならヒーローに相応しかったであろうと思った速水は、長身男前だが純朴でヘンに熱血な昭和の漫画っぽいキャラで、真面目な正義漢が過ぎて騙されやすく頼りないところが露見していき、どっちにしろ不安だわと思わせてくる。
後半、何だったか偶然により変身ヒーローになるんだが、割と別人格で、高らかに笑いながら現れるちょっとヘンな謎のヒーローで、本人その間を憶えてないんだったかな。

謎のヒーローが速水だったことがわかるも、何故変身できたのかわからず、後に酸っぱいものを食べると変身できるとか判明して梅干し食って「すっぱ」て言って変身するw 「説明しよう」とナレーションが入り、変身できる理由が語られるんだが、それがすげー長いw 文字まで入って更に詳細に長くなってたような。
速水であって速水じゃないのでイマイチ噛み合わず、当てにならないちょっと困った扱いづらい人だったりするのも面白くて凄く好きだった。

けどビジュアルが。緑色の肉襦袢スーツみたいな姿で、ボコボコしてるとこが気持ち悪くて凄く苦手だった。ぴかぴかしたシャンゼリオンとの並びに統一感なさすぎて、色だけでも……いやボコボコが……と登場する度考えてしまった。

シャンゼリオンのビジュアルはそれまでに見た特撮ヒーロー中最もカッコいい。唇あるのが残念だけどフィギュアか何か欲しいなと思ったぐらい。透明なとこがあって色数少なくてスッキリめのデザインで好きだった。
燦然!シャンバイザー!ってサンバイザーぽい変身アイテムなのも好き。燦然!ってのもカッコいいなー。結晶!と双璧かも。絶対「しゃんぜん」て言ってしまうけど。

歌謡曲みたいな主題歌も意外に好き。何かメロウだし一応「超光戦士」に合わせてあるとこが。シャンゼリオンになれなかった男から主人公へのエールのようでそんなこともない微妙なとこある歌詞だがメロディと馴染んでて心地いい。

暁の本業・探偵事務所にいる女の子が、暁の彼女なんだかそうでないんだかイマイチわからないマスコットキャラみたいな感じなとこも割と好き。初代の朱美だったかが子供みたいな愛嬌ある顔立ちだったような。

ラストがあんまり好きじゃなかった記憶があるけど凄く好きな作品で、このユルさ加減は深夜枠あたりで再放送したら人気出そうなのになーと思っている。

DVDが主流になる前だったようでレンタルビデオしかなかったと思う。DVDはセルのみで再販もされてないんじゃないかな。ボッタクリ価格じゃなければ買うよー再販してみてー。
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