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昔話法廷『桃太郎』裁判のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

昔話法廷『桃太郎』裁判(2021年製作のドラマ)
4.3
「もし昔話の登場人物が訴えられたら…?」
という設定のもと描かれる、Eテレの法廷ドラマシリーズ「昔話法廷」。
これまで幅広い層から熱烈な支持を集めてきた番組の最終章となる、「『桃太郎』裁判」の放送が決定しました。脚本をヒットメーカーの森下佳子さんが担当し、法廷の登場人物を、天海祐希さん、佐藤浩市さん、仲野太賀さん、仲 里依紗さんなど、豪華キャストが演じます!
今回裁かれる被告人は、桃太郎です。鬼ヶ島に押し入り、持っていた刀で鬼たちを殺傷。財産を奪った強盗殺人の罪に問われます。証人として、殺された鬼の妻、桃太郎のおばあさん、桃太郎といっしょに鬼を襲った犬が出廷します。桃から生まれた桃太郎は何者か? 鬼はなぜ鬼ヶ島に住んでいるのか? 昔話の“空白部分”に大胆な解釈を加え、昔話の“その後”を描きます。
小学校などで教材として使われる「昔話法廷」シリーズ、今回の題材は「桃太郎」。
「SNS炎上」「フェイクニュース」「ヘイトスピーチ」などの現代の問題を取り入れて、桃太郎が鬼ヶ島を襲撃したのはSNSに「鬼が人間の村を襲う」という襲撃予告があったから、鬼が姿の異形さから村を追い出され鬼ヶ島に追放されたこと、桃太郎がSNSで誹謗中傷されたことなどが付け加えることで、典型的な勧善懲悪のお伽噺「桃太郎」に描かれていない違った面が見えてくるものになっている。
それは、「誹謗中傷」「差別」「憎悪」の負の連鎖。
法廷での桃太郎の証言により、御伽噺の内容が覆される。
その中で、明らかになる「差別や誹謗中傷の元になる薄っぺらい根拠のない憎悪」による惨劇。
これを見て、子供や大人に「なんとなく感じ悪い怖い」から差別していいことにならないことを学んで欲しい。
天海祐希、佐藤浩市の演技は素晴らしいし、仲野太賀の演技は最高でした。
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