山岡

SHOGUN 将軍の山岡のレビュー・感想・評価

SHOGUN 将軍(2024年製作のドラマ)
3.6
真田広之がプロデューサーとして参加したハリウッド製時代劇ドラマ。

大河ドラマの下手くそな俳優の演技、ハリボテのようなセット、カラッと明るいお笑いのコントのような撮影に飽き飽きしていた自分としては、舞台、美術、衣装、撮影、演技とどの部分でも気合の入った本作の姿勢に感動した。正直、ストーリー展開的にはかなり難がある作品ではあると思うが、ちゃんと作れば時代劇は最高に面白いし、現代人が見てもかっこいい作品にできるということを見事に証明したと思う。

アメリカドラマのマナーに忠実に、ケレン味のあるバイオレンス、セックスシーンを挟みながら、エピソードの最後にはクリフハンガーをきっちり仕込んでおり、時代劇であることを抜きにしても普通に良質なドラマ作品になっている。

ただ、前半こそ豪華なビジュアルやキャラクターの魅力、戦闘シーンなどで圧倒されたが、視聴者がそれらの要素に慣れた後半は、ストーリーが完全に停滞しており、やや失速してしまったように感じた。また、主人公の安針が終始、何を考えているのかよくわからない感情移入しにくい存在であったことも大きなマイナスだったと思う。

とはいえ、多少のマイナス面も補って余りある魅力の詰まった作品であることは間違いない。これをきっかけに海外製の時代劇がもっと増えてくれると嬉しい。さらに言うと、日本のテレビ時代劇が本作に負けじとビジュアルや演技のクオリティにこだわったものを作ってくれるようになると最高だ。
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