いよら

五月の青春のいよらのレビュー・感想・評価

五月の青春(2021年製作のドラマ)
4.7
フィル友さんの評価がとても高かったので、
気になって視聴してみました。
皆さんの評価に違わず、とてもいいドラマでした。余韻が凄い…。しばらく放心しちゃいます。
切ないけれど、その瞬間、一瞬一瞬を大事にしたいなぁって思うドラマでした。

1980年の5月に起きた光州事件を背景に描いたドラマです。時代の波に翻弄されながらも、純粋に愛を育んでいこうとする医大生ヒテと看護師ミョンヒ2人の物語。

前半は2人の出会いから、お互いに惹かれあっていくっていうのがキュンキュンします。身代わりでお見合いに行くとかは、『社内お見合い』でもあったりしたけど、このドラマでは実はお見合いの前に出会っているので、ヒテは偽物と気づいていて、それでも騙されたフリをしているっていう展開が好きでした。そこから、お互いに惹かれ合いながらも、父親の妨害や親友のスリョンとの関係もあってなかなかうまくいかない2人の関係。好きだから相手のためを思ってっていうのがもどかしいですけど、2人の想いが伝わってくるので、なんとかならないかと願わずにいられませんでした。ミョンヒの存在は、何もかも諦めていたヒテにとっての唯一の光であり希望なんだろうなと思います。だからこそ、どんなことをしても守りたいんですよね。ミョンヒにとってもヒテは心の拠り所になっていて。。
そして後半は、光州事件が起こり、2人も周りの人たちもみんな時代の波に飲まれていく展開。このあたりからは、毎回、何かが起こりそうでドキドキしっぱなしでした。出てくるキャストたちがみんな無事でいてほしいって願わずにいられませんでした。毎話苦しいような切ないような、そんな気持ちになりながら見ていました。

ラストは、切なくはありますが、決して悲しいっていうだけではなく、前を向けるメッセージが込められていたのは良かったです。ラストまで見て「五月の青春」というタイトルの意味がわかります。

とにかく主人公2人がとてもいいです。爽やかな2人。応援したくなります。目が、表情が、仕草が、相手を好きだっていうのが伝わってきます。イドヒョンとコミンシの2人の雰囲気がとても良かったです。
イドヒョンの主役の作品は初めてでしたが、これからが楽しみですね。一途なヒテがハマっていました。コミンシも弱い部分と強い部分の混在しているこの時代の女性の雰囲気がとてもよくあっていました。
オマンソクは、最近悪役俳優になってますね。憎らしい役が本当にハマってました。父親としても、情報部の部長としても、どちらの立場でも主人公たちに立ちはだかる存在で、こわかったですね。
他のキャストもとても良かったです。イ・サンイは真面目なお兄ちゃん役でいいです。はじめちょっとライバルになるかなぁって思ったけど、兄として、企業家として、自分の不甲斐なさや至らないところを見つめて行動するっていうのはカッコよかったです。そして、キム・ウォネは今回も複雑なキャラクターを演じてましたね。「自分は常に風よけだった」って切なくなっちゃいました。

チェ・ウォニォンが渋い雰囲気がとてもマッチしていて、良かったですね。(出てきて1人テンションが上がったのはナイショの話…)このドラマに奥さんも出てますが、共演シーンはないんですね。残念。


最後に。光州事件という事件を知るきっかけになるドラマとしてとても良かったなと思います。原作は、陸上部の小学生の立場から見た光州事件を描いた本なんですね。つまりはミョンヒの弟のミョンスから見た視点ということで、中盤のあのシーンはそういうことなんですよね。
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