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マーダーズ・イン・ビルディング シーズン2の都部のレビュー・感想・評価

4.3
【マーダーズ・イン・ビルディング】S2 90/100点

SEASON1が面白かったので引き続きSEASON2を鑑賞したが、やはり安定した面白さは揺るがないドラマシリーズであることを再確認。

前作の事件を経ての作中人物達の絆の補強により主演三名の演技のアンサンブルは深みを増すと同様に、ニューヨークの高級マンション:アルコニアで再び発生する殺人事件の謎はミステリとしてより上質な物に。

とはいえ終盤の事件の真相開示の複雑化ぶりは目に付いて、こと本作の雰囲気に沿ったシンプルだがツイスト溢れる謎解きをしていたSEASON1と比較するとそこはやや力抜けした印象。

アルコニアの外の人間がアルコニアで起きた事件に介入していくというドラマとしての拡張性は好ましく思うし、主要人物達の独自のドラマの進展が本筋に関与する多層的な構図も悪くもない。乱立する縦軸という意味では主題が曖昧模糊としている部分もあるが、一応の決着はしている。

ミステリとコメディが同居した小粋な掛け合いを、古典的演出と共に見せて淀みなく物語を呑み込ませる手腕も健在。そして相も変わらず衣装と美術センスには長けており、彼彼女らが身に付けている衣服を一つ取り上げても洒脱な面白味が見いだせるのは本作の明確な長所である。

最終話のSEASON3へのクリフハンガーはまた強烈な物で、来年のSEASON3が今から待ちきれない。
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