いよら

赤い袖先(原題)のいよらのレビュー・感想・評価

赤い袖先(原題)(2021年製作のドラマ)
4.5
ず〜っと観るのを楽しみにしていたドラマ。遂に試聴しました。
レビューは長文です。
多分ネタバレも含んでます。
思いの丈を書きますので、たぶん全くまとまっていない文章になってますので、ご了承ください。


いや、満足!大満足です!
かっこいいジュノを満喫できました!!
表情、視線、筋肉、立ち居振る舞い、セリフの言い回し、声のトーンまでも全てカッコよかったです!

朝鮮王朝の聖君として名高いイ・サンの、1人の女官への愛を中心にしたラブストーリー。

『イ・サン』自体は見ていないですけど、この時代のドラマは割と見ているので、この王様の存在は割と知っていました。でも、ラブストーリーとして見たことはなかったので、新鮮で良かったですね。

聖君として名高い王でも、思い通りにならないことっていうのはたくさんあって、その中でも恋愛ごとっていうのは本当にままならない。
それでも一途にドギムを思い続けてるサンがとてもステキでした。何度、拒否され、突き離されて、諦めようとしてもやっぱり諦めきれずにずっと思い続ける。王様だから、もっと強引にしてもおそらく咎められることはないんだろうけど、ドギムの気持ちを優先して、そこまではしない。でも、気持ちだけは伝え続ける。そして守り続ける。
ちょっとした表情でもサンの想いっていうのは伝わってきて、サンと一緒にずっと一喜一憂してました。いや、サンと一緒に、というより、サンの表情の変化にって言った方が正しいかな。ジュノ演じるサンがカッコよくて、可愛くて、とにかく魅力的で、それだけで見て満足です。

ただ、そこまで思われてもドギムがなかなか振り向いてくれないのはちょっと辛かったです。いや、ドギムの気持ちもわからなくはないんです。サンを選ぶことで喪うものっていうのはたくさんありますし、ドギムが願っていた生き方とはかけ離れてしまうわけですから。王に愛されるっていうのが最上の幸せのような時代であっても、ドギムにとっても幸せはそこにあったわけではなく、自由であったり、友人たちとの時間であったり、そういうものが大事だったんだろうなと思います。でもサンのことを慕っていたのだったら、もう少し素直になっても良かったかな、と思ってしまいました。もちろん、サンのことを想っている描写もあるにはあるんですけど、それを敢えて見せない態度を貫いていて、サンの気持ちに寄り添ってるこちらとしては、辛い部分はありました。

といっても、2人のシーンはとても雰囲気が良くて、ステキではあったんですけどね。
ラストシーンは本当に良かったです。あのシーンと繋がっていくわけですね。素晴らしい演出でした。サンにとっての1番の幸せだった時間。そこに戻ってその時を再び過ごせるっていいですよね。2人の笑顔に癒されました。

サンにとっては、憎んでも憎みきれない相手である、祖父英祖。個人的には嫌いになれない人物でした。サンのことを疑って酷いことをしたり、自分勝手に振る舞ったり、ワガママな王にも見えるんですけど、王ゆえの苦悩もあったのかな、と思わずにいられませんでした。サンへの愛情も絶対あったし、でも自分の立場が脅かされることへの不安もあって、それが入り混じった複雑な心情だったのかな、って思いました。思悼世子のことについても、複雑な心境だったのかな、と思います。(ただ、この事件に関しては、このドラマの狂乱した世子というイメージよりも、政敵に陥れられた説を推しております)
ホン・ドンノは、初めからあんまり好きじゃありませんでした。物腰柔らかですけど、言葉の端々に冷酷さがあって、一番怖い人物と感じていた人でもあります。でも、それをふとした雰囲気から感じされる演技、今後期待の俳優さんですね。このカン・フンは初めてかと思ったら、『二十五、二十一』に出てた。が、イジンの弟か…じゃあ、覚えてなくても仕方ないですね。

サブキャラとしては、サンの護衛役のオデファンと、お付きの内官、ソ尚宮のやり取りが楽しかったです。ズレたオデファンssi、かわいすぎました。ソ尚宮は、ドギムのそばでいつも見守って励まして、相談に乗ってくれる暖かい存在でいるだけで和みました。ドギムの宮女仲間の3人の存在も良かったなあって思います。そういった、一息つける要素も楽しいドラマでした。

韓国の時代劇は、陰謀や策略が多くて辟易しちゃうドラマも結構あるんですが、このドラマは最後まで、悲喜交々で飽きることなく観ることができました。本当に良作。見終わった今でも、ふとした瞬間に思い出しちゃって、切ない気持ちになったりしてます。
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