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ファイトソングのmaroのレビュー・感想・評価

ファイトソング(2022年製作のドラマ)
3.5
2022年冬ドラマで面白かった順位:1/2👑
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

今期観たドラマの中で、一番ど直球なラブストーリーだった。

◆恋愛下手というよりただのコミュ障だったメイン2人

事故で空手の道をあきらめた花枝(清原果耶)一発屋ミュージシャンの芦田(間宮祥太朗)。
組み合わせのありえなさがドラマっぽくていいんだけど、芦田が恋愛下手というか、人との距離感が謎すぎるんだよね(笑)
彼はホームクリーニングのスタッフとして来た花枝が、かつて自分の作った歌のファンだと知って、いきなり「付き合ってください」と申し出る。
偶然の出会いはまだいいとしても、唐突すぎてまったくついていけなかった(笑)
『神様、もう少しだけ』(1998)のように、
絶大な人気を誇るミュージシャンとそのファンの女の子っていうならまだわかるけどね。
普通だったら「え、キモ!こわーい」ってなりそうではある(笑)
でも、結局花枝も受け入れちゃうからなあ。
なんか、お互いに恋愛下手を通り越して、何かコミュニケーションの取り方がおかしいなって思った。

◆いい味出してたサブの2人

そんな花枝と共に施設で育った慎吾(菊池風磨)と凛(藤原さくら)。
慎吾は花枝に密かに想いを寄せ、凛は慎吾に想いを寄せる。
この近場での気持ちの矢印の合致しなさが、まさにトレンディドラマっぽくて懐かしい感じがした。
結局、慎吾は芦田に対してライバル心を出しつつも、最後は2人を見守るし、そんな慎吾が花枝に対する気持ちをだだ漏らしているのを、複雑な想いを抱えながらも見守る凛。
このサブ2人の健気さはよかったね。

よかったんだけど、2人ともいい子すぎる。
一昔前のドラマだったら、もっとこう自分が自分がつって、本当に相手が欲しいんだなっていう欲の強さを感じたんだけど、、、そこは今回あんまり伝わってこなかった。
これまでの関係性が壊れることを恐れるがゆえだろうし、それはすごくよくわかるんだけど、ドラマならもっとバチバチしたところを観たかったり。
最後の凛のツンデレ感はドラマのキャラクターとしてはよかったけど。

◆耳が聞こえない意味がほとんどなかった

このドラマは歌をひとつのキーアイテムとしていて、手術によって耳が聞こえなくなってしまう花枝にとっては、その歌が聞けなくなる悲運を嘆くものだと思ってた。

ただ、実際には耳が聞こえなくとも、(ドラマを観る限りでは)ほとんど日常に変化がなく、「この設定、そんなに必要だったかな」と思っちゃった。
最近のドラマは悲しいお話を作らないからか、全体的に障害によるマイナスがあまりなかったので、あくまでも物語の起伏という意味で、やや都合がよすぎるのではと感じた。

そういえば、必要だったのかなという点では、あの芸人を目指していた2人、本編にまったく絡んでこなかったな。。。
いる、、、のか、、、?(笑)

◆そんなわけで

流れとしてはど直球ラブストーリーではあったけど、メイン2人の馴れ初めに感情移入できなかったことが個人的にはけっこう大きく、その上で展開の間延び感や劇的に大きな問題もなく進む抑揚の少なさに、物足りなさが残るドラマだったなという印象でした。

ムササビッ!た
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