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Dr.コトー診療所2006のmaroのレビュー・感想・評価

Dr.コトー診療所2006(2006年製作のドラマ)
4.0
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★★☆

『Dr.コトー診療所』の第2シーズン。
前シーズンおよびスペシャルドラマとも密接に繋がっていて面白かった。

前シーズンは、とにかく島内で起こるいろんな事故や病気にコトー先生が対応していくことがメインだったけど、今回はそれに加えて、彩佳(柴咲コウ)の乳がん問題が発生。
島での診療活動と並行して、彼女の身も案じ続けるコトー先生の役どころは、複雑な心理常態なんだろうなと思った。
今シーズンに初登場したミナ(蒼井優)は、彩佳がいなくなる代わりに、ほぼ代役的なポジションで投入された気がしないでもない(笑)
彼女のDV夫のエピソードは島民とは何の関係もないので、ちょっと印象に残りづらかったけども。

でね、今回のドラマで一番推したいのは、2人のキャラクターなのよ。
まずは星野昌代(朝加真由美)。
『Dr.コトー診療所2004』(2004)で起きた脳内出血の後遺症で、半身麻痺が残り、言葉もうまく話せない。
口がうまく動かせない状態での朝加真由美の演技ときたら。。。
あのセリフの話し方がものすごくリアルだし、それでいて生きようとする力強さも感じられた。

もうひとりは、鳴海先生(堺雅人)。
一見、嫌なやつに見えるのよ。
合理的な人間で正論をツラツラ述べるタイプ。
あまり感情が通っていない印象が強いのだけど、実はいい人っていうね。
とっつきにくさはあるけれど、彼は彼で患者と真摯に向き合うだけでなく、彩佳の手術中に取り乱すコトー先生を冷静にケアする一面もあって、「この人実はメッチャいい人じゃん」っていうギャップにやられたね。
そんな彼も辛い過去を背負っていて、その経験があるからこそ、コトー先生には自分の二の舞になってほしくなかったんだろうなー。

あと、ちゃっかり三上先生(山崎樹範)も登場して、しかも物腰の柔らかいキャラに成長していたのもシリーズを観てきた人ならエモいポイントかと。

そんなわけで、医療ドラマではあるんだけど、医者とは何か、患者とどう向き合うべきか、深いテーマにも触れたヒューマンドラマの側面も強い作品。
個人的には、島にやってきたコトー先生(吉岡秀隆)が四面楚歌の状態から始まった前シーズンの方が好きだけど、今シーズンも面白いのでオススメ。
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