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舞妓さんちのまかないさんのdarumaのレビュー・感想・評価

舞妓さんちのまかないさん(2022年製作のドラマ)
4.1
是枝裕和監督と蒔田彩珠ちゃんに惹かれて。これもネトフリ入ったら観たかったやつ一気見。めちゃめちゃよかった…!是枝監督こんなホッコリ系もされるんですね!原作がサンデー(少年誌)ということで(未読ですが)その感じがありつつも、大人の特に女性が観るとグッとくる仕上がりだと思います。さすが是枝組。あと、この川村元気企画は当たりです。

実際の制作はSTORY inc.という会社(川村さんの会社なのですね)と分福(こちらが是枝監督)が手掛けていて、是枝監督は総合演出という形で各話の実質的な監督は務めていなかったと思うんですが(途中で確認し始めたのでもしかしたら1話とかはそうだったかも…でもラストは確実に違います)、それぞれ個別の作品(いずれも映画です)を観たことがある監督さんだっただけに、カラーが出ていました。

津野愛監督は「十年 Ten Years Japan」の一編を担当されている方。お名前に記憶はあったのですが、どの作品かは覚えておらず…杉咲花ちゃんのやつか!(と書きつつもどんな話だったか…自分の感想読み直してみた。。)ああなるほど…!うん、人選わかる。

奥山大史監督は「僕はイエス様が嫌い」ですよね。わかる…!めちゃめちゃわかるわ!!死生観、みたいな?
彼の監督話で一瞬、これそういう感じなのか…!?(誰か死んじゃうのか?)と思ってヒヤッとしました(サブタイトルが!)。ご安心ください、そういう感じではないです。

佐藤快磨監督は「泣く子はいねぇが」。偶然、直近で「ハッピーハッピーサタデー」を観ていたので、ポップな感じがわかりみが深すぎた!(ゾンビ好きは多分オリジナル!?)彼の監督話だけちょっとカラーが違います(笑)と思ったら、最終話も彼だったので驚いた…こういう感じも行けるのか!個人的に「歩けない僕らは」を最初に観た監督さんだったので、その印象にちょっと近いかもしれない。

役者さんは森七菜ちゃんと出口夏希ちゃんのW主演。森七菜ちゃんは圧倒的にこういうのが似合うなぁ…!久々にめちゃくちゃ似合う役を観た(月9の印象が凄すぎた。。可哀想…)。ネームバリューで行ってもキャリアで行っても彼女のほうが上だと思うし、タイトルも彼女を指していますが、実はこの話は出口夏希ちゃん演じるすみれのほうがフィーチャーされている。それを支えるのが非常に上手い。彼女はまだあんなに若いのに、主演ながらも脇を最高に引き立てられる役者だと思いました。ほんと凄いな…

出口夏希ちゃんのほうも実は名前に聞き覚えがあって、映画「沈黙のパレード」を観ていました。姉妹のどちらかだったかな…?と思ったら、妹ちゃんの役だった。本作、めちゃくちゃぴったりでした!凄く可愛いのにちゃんと芯がある、素敵な役です。最終話、泣いちゃいました…

で!脇がめちゃめちゃツボすぎた!!
私の好み通りの人呼んできた…!?!?ってくらいのキャスト。
まず北村有起哉さん(出てる事全然知らなくて狂喜乱舞!)、ここと高橋和也さんは映画「新聞記者」ですか…?(偶然か)
福地桃子ちゃんのメガネ姿に萌。^^
森崎ウィンくん、井浦新さん。
城桧吏くん、橋本愛ちゃん、松岡茉優ちゃん、リリー・フランキーさんと、このあたりはもう圧倒的是枝組感のあるメンツではあるんですが(でも橋本愛ちゃんは違うんだよね。何かで是枝監督と対談してた?違ったかな…?)、まさに安定すぎた…どこまでも旬すぎるキャスト陣。というか、映画が好きな(映画に愛されている)、こだわりを持った役者さんを揃えました!という感じ。

何故か古舘寛治さんが古舘さんという役名だった(笑)
彼と尾美としのりさんが居るバーに行ってみたいわ…
あと、毎話エンドロールで白石加代子さんの名前が出てきて、ずっと、どの役なんだろう…消去法で行っておばあちゃんしかいないんだけど、と思いながら観続けていて、ラス前の8話でようやく!顔が一致しました(苦笑)

そして蒔田彩珠ちゃん。
出番はそれほど多くないながらも、完全に是枝組としての役割を全うしてた。
寂しさを演じさせたらほんと、ピカイチすぎます…

彼女は全くキーマンという訳ではないんですが、なんていうか、彼女の存在みたいな感じが、このドラマ全体の根底に流れているというか。
とても優しい世界感なんだけど、それだけじゃない、ふとした物悲しさというか、ヒリっとした感じ…それがこの作品を絶妙に引き立たせていると思います。

(でも、このキャラはドラマオリジナルなのか…!(wiki調べ)
ちょっと驚いた、と思いつつも、納得。
ちなみに松坂慶子さん演じるおかあさんも、松岡茉優ちゃん演じる吉乃もそうらしい。めちゃめちゃ驚き!もはやメインキャラがほとんどそうって事なの…!?凄いな、絶妙に改変してる。でもざっくりキャラ紹介を読むと、上手い事、役どころや性格を分散させてる感じ?)

これ、ネトフリで世界配信なんですよね…?
最近ネトフリオリジナル作品を立て続けに観ているせいか、なんかこのネタを是枝監督が手掛けるのがわかる気がしました。
京都の舞妓さんって、いかにも「ニッポン」ですよね。
そういう、情緒のある侘び寂び、みたいなものを世界に発信したいのだと思ったし(日本のネトフリが)、それを撮るのにめちゃくちゃ合っている監督さんだと思います。素晴らしいチョイスです。

そういう意図みたいなのは感じずとも、とにかく心温まる良作であることに間違いはないです。
観始めは、なんかわりと軽い感じのドラマかな…?(テレビドラマと同じかな)と思ったら、全然そんなことはなかった。しっかり映画人が制作してる、長さが長いだけの映画だった。変に順繰りにキャストがピックアップされる回があるとかでもなくて、芯のある話が通ってる。でも続いて行く感じはとてもドラマっぽい。癒されること間違いなし、おすすめです!

(追記:余談ですが、ネトフリって深夜食堂の配信をしてるんですよね…実は以前、特定のエピソード(推しメン出演、笑)が観たくて加入したことがあったので知ってました。本作にもなんとなく、通ずるものを感じました。美味しそうな料理が出てくるって事だけかもですが…でもヒューマンぽい感じも似てるかも?)
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