いよら

悪の心を読む者たちのいよらのレビュー・感想・評価

悪の心を読む者たち(2022年製作のドラマ)
4.4
韓国のプロファイラー創成期の物語。

もう1話目から好み。
全体的にダークな画面とキムナムギルが演じるソンハウンの雰囲気が好きでした。

1990年代後半から2000年代にかけての物語。
科学捜査は少しずつ浸透してきても、プロファイリングなんて全然知られていない時代だからこそ、分析チームに対する偏見の目。
殺人事件を起こした囚人に面会に行ってデータを集めるのは変人だし、殺人現場に足を運んで犯人の行動を分析しようとしたりする行動も、周りからは操作の邪魔だと見られてしまう。
でも、ひとつひとつのデータを分析して、それこそ悪人である犯人になりきって事件を解決しようともがいていくハウン。
でも悪人の心になるっていうのは、普通の人の精神で耐えるっていうのは生半可な気持ちでできるものでは無いですよね。。ずっと向き合っているのは、見てるこっちも辛くなってきてしまうくらいでした。だからこそ、ハウンが…っていうのも、わかるなって思ってしまいます。

ハウンの事件に対する向き合い方がとても素敵でした。被害者のため。本当にそれに尽きるんですよね。犯人を捕まえる理由も結局はそれが根本にある。だから、事件が終わってからもどうするのか、それが大事なんだなぁって思いました。

キムナムギルの演技がとてもいいです。淡々と、だけど犯人を追う、その過程で悪人の狂気が乗り移った雰囲気にも変わっていく、それが凄かったです。クールさと、内に秘めた狂気と。
分析チームのメンバーもいいですね。ククヨンスチーム長。一匹狼的なハウンの理解者で、何があっても味方でいてくれる存在。上とのパイプ役としてもとても良かったですね。もう1人のチョンウジュもだんだんとハウンと打ち解けていく過程が良かったです。演じてる役者さんがこの前見た『18アゲイン』のシウ役だと知り、ちょっとビックリです。

機動捜査隊の人たちともね、最初は反発されるけど実績を上げるごとに認められていくっていうのが良かったですよね。

あと、直接ストーリーとは関係ないけど、記者としての視点も描かれていたのが良かったです。被害者の立場に立った記事。スクープを取るのも大事だけど、それ以上に大事なものってあるなぁって。
そうなんです。サスペンスなんだけど、人間ドラマでもある作品なんです。
恋愛要素全くなしで、全体的には暗い雰囲気ですが、キムナムギルと犯人役の人たちとの攻防、悪の心理を読み取っていく描き方など見どころはたくさんありました。
そして、やはり実話を元にしてるっていうのも大きなポイントですね。


⭐️今作の注目のおじさま。今作はおじさまがたくさん出ているので誰って書くのは難しい。やはりキムウォネはいい味出してましたし、イデヨンの刑事課長も味方になってくれている感じが好きでした。チョンマンシクもハドグォンも。
でもその中でもおじさまっていうのは微妙かも知れないけど、チンソンギュが良かったですね。上記のククヨンス役。彼、見たことあるけどどこで?と思ってたら、『エクストリームジョブ』の彼でしたか…。役の雰囲気違いすぎて、わからなかった…。でも、今作では本当にすごく良くて、カッコいいってなりました。今後どんな役をするのか楽しみですね。
いよら

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