むぅ

らんまんのむぅのレビュー・感想・評価

らんまん(2023年製作のドラマ)
4.1
「らんまんの竹雄くんが好きなの」

ドラマをほぼ観ない天然母上がそう仰るので、誰だよタケオと思って観てみたら志尊淳。
どうやら面食いらしい。
「竹雄くん、これから活躍するかしら?」
「志尊淳ね?もうとっくに活躍中だから」
「そうなの?竹雄くんは俳優さん?」
「志尊淳ね?うん、俳優ね?」
「竹雄くん、良い子なのよ」
「志尊淳ね?あれは役ね?」
「竹雄くん、CMにも出てるのよ」
「......そうだね、竹雄くん凄いね..」
「竹雄くん、映画にも出るのかしら?」
「出てるよ、けど映画観ないでしょ?」
「時々観るのよ?ちょっと前にトム&ジュリーって映画館行ったのよ、お友達と」
「......関内の?」
「そう」
「それトム&ジュリーじゃなくて、ジャック&ベティって映画館だから。&しか合ってないじゃん。しかもトム&ジュリーじゃなくて、トム&ジェリーね?」
「あらやだぁ♡」
あらやだはこっちの台詞である。
しかし我ながらよくわかったな。
別に今作の主人公である万太郎を天然とは思わないが(いやちょっと思うが)、万太郎に振り回されながらも懸命にサポートする竹雄を母上が応援しているのが微妙に納得がいかない。君、どう考えても万太郎側だろうが。


日本の植物学の父と呼ばれる牧野富太郎。
彼をモデルとしたドラマ。


人生初の朝ドラリアタイとなった。
何が凄いって作中登場する植物は西尾製作所が手掛けるレプリカだということ。
クリエイティブ方面、特にアートに関してセンス皆無なので感心するばかり。
それにしても、自身の生涯をかけてでも成し遂げたい事を見つけ、しかもその分野に才能があり、おまけにそれを愛せる事の素晴らしさよ。

「言葉足らずの愛を 愛を貴方へ」
そう始まるあいみょんの『愛の花』という主題歌。最初の頃、聞いていてこれは植物の気持ちで綴られた歌詞なのかなぁと思っていた。そんな時にあいみょんのインタビューで、万太郎の妻である寿恵子の立場からの歌だと知った。言われてみたら確かに。
でも観続けるにつれ、寿恵子の万太郎を支える言葉の数々は"言葉足らず"などではなく、愛に溢れるものだった。私が寿恵子なら、言葉足らずの愛どころか文句垂れ垂れの日々を送りそうな気がする。
万太郎も凄いが、彼の才能を信じ続けて支え続けた寿恵子も素晴らしい。
後半、彼女の物語でもあった。

「雑草という草はない」
万太郎のその言葉通り、登場人物それぞれにストーリーがあり、そこに光を与えるドラマ。


「この葉っぱ、ヌスビトハギっていう名前よ、ヌスビトなんてねぇ、もうちょっと良い名前なかったのかしら♡」
と植物が大好きな母上がハマるのもよくわかるドラマ。そんな事を思ったところで、その名前、牧野富太郎が付けてたらどうするんだよと思い調べてみたところ違った。
何故かちょっとホッとしたり。
むぅ

むぅ