むぅ

VIVANTのむぅのレビュー・感想・評価

VIVANT(2023年製作のドラマ)
3.9
「ウソでしょ!」

まさかドンピシャの"きゅん価値観"の人と出会うとは!
最初はスルーしていた今作、友人に勧められて5話まで一気見した所で、ついでに堺雅人が出演するトーク番組を観ていた。そう言えば堺雅人が"一応演じていない"状態を見るのは初めて。
静かに穏やかにお話される方なんだなぁと好印象だった。
インタビュー中にサラッと"傾ぐ(かしぐ)"、"屠る(ほふる)'などという言葉を使われていて正直かなりきゅんとした。
こればかりはもう完全に私の"ヘキ"である。
サラッと大和言葉を使われる方、とにかく好きなのだ。ついでに母語以外の言語が堪能な
方にもきゅんとする。
問題はそのインタビュー動画明け、スタジオで林修が言った。
「傾ぐ、屠るなど大和言葉を使われていて、僕が女性なら落ちます」
と。
「わーお、わーかーるー」
であった。
未来永劫そんな事はないが林修が私の事を落とそうと思ったら、瞬殺かもしれない。
そんな事を話していたら友人から一言。
「バカでしょ」
「今でしょ応用しないで」
「絶対むぅは今でしょ応用したレビュー書くね」
さすが我が友。ウソでしょから始めようと思ってたよね。



ん?これNetflix?
キャスト、ロケ地とあまりの豪華さに驚かされっぱなし。
ドラマ3作分くらいの豪華さな気がする。
何の前情報もなく観ていたので、1話と最終話の最後に登場した人に「ひょえー!」となってしまった。

ドヤ顔をするとどうしても半沢直樹を思い出してしまうものの、さすが早稲田の劇研出身!未だ小劇場の俳優感を捨てずに朗々と長台詞を謳いあげる堺雅人(ちなみに私は彼の売れない時代に野菜を食べなくては!と思って道端のタンポポを食べた話が好き)
大河ドラマだろうが何だろうがお顔の濃さ故にルーツを海外に疑われる設定されがちな上に、今作ではウインクでこちらを思考停止させた阿部寛(東大に行け!とあなたに言われても、私は多分お顔の濃さが気になって授業に集中出来ない)
演じる人によって説得力というものはこうも違うのかとオーラと存在感を見せつけまくりつつも他の俳優を"食う"ような自己中心的な演技は一切しないさすが過ぎる役所広司(彼が出るたびに「...映画?」と一瞬一瞬が絵画のようになる、あ、後、長髪が大変お似合いで素敵)
個人的には同世代の俳優の中でNo.1演技力なのではと思っている&ご本人かマネージャーか知らないが作品選びのセンスも抜群で普段はその人洗濯が大好きって言ってるんだよ?なんてお首にも出さないシリアス感の松坂桃李(短髪素敵じゃないか)
そしてドラマや映画をよく観る勢からは、事あるごとに裏があるに違いない!と疑われがちな小日向文世、二階堂ふみ、迫田孝也(ごめんなさい、あなた達が登場するとどんな作品でも"夏の終わり、マンションの廊下に落ちてるセミ"を見るような目で見てしまいます。絶対これから暴れるだろ!と確信に近いものさえある)
好きな俳優は?と聞かれてすぐには浮かばないものの、出演してると私この人めっちゃ好きなんだよなぁとなるし、出来ればヤバめな役を今後もたくさん演じて欲しいキムラ緑子(銀魂2での名演は忘れない。ごめんなさい今度から好きな俳優ですぐ名前出します)


"考察"ピークとしては4話あたりが最高潮だったかなと思うものの、ドラマは俳優中心に観る事が多い私としてはとても楽しめた。

ついでに。
半沢直樹調で堺雅人が数字に関するトリックや仕組みを暴く際、字幕で数式が解説された事に感謝しかない。
日曜劇場って「明日からまた仕事だけどこれ観てちょっと頑張ろうって気持ちになってね」的要素があると思うのだが、数式の解説が無ければ少なくとも私は「ふん、どうせ。足し算引き算掛け算割り算しか出来ない理数系センス皆無ですよ」と捻くれていたに違いない。解説があっても「...うん!ズルしたんだね!」というレベル感であったが。

食いしん坊としては、食の描写が丁寧な作品は嬉しい。が、作中紹介されていた目玉焼きは一度ザルで白身の水気を切ってから焼くと美味しいというのは多分やらない。
丁寧に暮らせない民、朝から洗い物が増えるなんで言語道断なのである。
でも、お赤飯、あんまり好まないんだが、そんなに美味しいの...?食べてみようかな...?とはなった。

こんな豪華キャストで次のクールの日曜劇場どうすんの?と思ったが、そこは鈴木亮平が主演なので勝手に大丈夫だね!と太鼓判を押したい。小日向文世も2クール連続で出演するようだし。


「目玉焼き、白身の水気をザルで切ると美味しくなるらしいね」
友人が更に続けた。
「ザル洗うのってめんどくさくない?やらやいなー」
「鈴木亮平が朝ごはん食べに来たら?」
「それはやるでしょ」
「バカでしょ」
ですよね。
むぅ

むぅ