真田ピロシキ

作りたい女と食べたい女の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

作りたい女と食べたい女(2022年製作のドラマ)
3.7
15分10話じゃ短すぎる。プロローグといった感じ。私のTwitterはリベラルな人がほとんどで中にはレズビアンの人もいるのでこれの原作漫画がよく紹介されてて気になっていた。料理ものの同性愛漫画と言えば『きのう何食べた』があるが、あれのドラマはステレオタイプ的なゲイ演技をされているとか主演俳優の発言が酷いということで当事者からは否定的に言われることもあり、自分では分からない違和感を知らされた。

そんな訳で本作もどうだろうと思ったが、報道とドキュメンタリーは忖度・捏造のクソなのにドラマは意欲的で質の高いNHK。番宣からレズビアンの恋愛物語であることを隠さず伝えてて本気が窺える。野本さん(比嘉愛未)が好きでやってるだけの弁当作りを男にウケる女子力として捉えられることや、春日さん(西野恵未)が無断で定食のご飯を少なめにされる"親切"など、フェミニズム的な発信をする方をフォローしてるとよく聞く事例がたくさん。餃子にライスへのイチャモンは低糖質志向の自分にはない組み合わせであるが赤の他人に言われる筋合いはないと言えるし、このおっさんがガタイのいい男に同じことを言えたとは思えないので、男の自分だって相手を選んで攻撃するコイツをクソ男としか感じない。今、貧困女性の支援団体に誹謗中傷業務妨害を繰り返している暇空茜とかいう奴と取り巻きのキモオタ共がこのおっさんと重なる。

恋愛ドラマとしては春日さんが本業の俳優ではないために表情が硬く、そのために無骨な感じが上手く出ててスマイルした時のギャップが野本さんの言うようにチャーミング。野本さんが女性を好きな自分を過去を振り返って認識して恋が本格的に芽生え始めるのも落ち着いた感じで品が良く、相談した同僚の女性が彼女自身は異性愛者だが同性愛に対して何も驚かない当たり前のこととして受け止めていることに、LGBTQを殊更ドラマチックにしない姿勢を感じられる。だが最初に言ったように10話じゃ導入部に過ぎないのでそこまで高評価は難しい。早急に続編希望。漫画は多分買います。