真田ピロシキ

D.P. −脱走兵追跡官−: シーズン2の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.2
6話しかないのに良かったのは最初のキム・ルリ2話だけで、あとは急転直下でつまらなくなった。キム・ルリは良かったのよ。絶対に軍隊が合わない人間も強制的に徴集した結果、自分で命を絶つこともあれば奪って怨みを晴らすこともある。そこにはひ弱だろうがその気にさえなれば容易に人を殺せるものがあるわけじゃないですか。ちょっと前に我が国でもありましたし。我が国に重ねて言うならキム・ルリタイプでしかなさそうな連中がネットでイキったことを仰られてるが、もし日本で徴兵復活なんかしたらお前らの末路はこれだって。世界一のクズ軍隊旧日本軍を例に出すまでもなく、志願制の今ですらパワハラセクハラの隠蔽暴力装置を見てると分かるでしょ。いい加減に気づけよ。そんな身近さを感じ取れた。

しかし3話のトランスジェンダー回からおかしな雰囲気に。この話の大筋自体はやはり軍隊なんてマチズモ組織からは抹殺される個人の悲劇が描かれているのだが、そんな真面目な話なのに途中自転車カーチェイスなどをコミカルに描いててノリがおかしい。そして最大に白けた5話。電車の中、単身10数人の軍人を殴り倒すアン・ジュノ。これステイサムの映画だったっけ?2話前ではチンピラから逃げ回っていたのですが。思えば歳の割に階級の低いオッサンが凄い蹴りを放って「ハリウッドの底辺ジャンル ナーメテーターみたいだなハハハー」と感じたのが予兆だった。結局物語からは真剣味を失い低調な幕切れ。38度線を絡めた韓国の軍事事情も物語にキレを取り戻すことはできず終い。

それとシーズン1はこれの2年近く前に配信してたのに、突然最初の話にしか出てなかった奴を当然のように再登場させられても「誰?」としか思わない。皆が前の話を復習してることを前提にドラマ作らないで欲しい。ネトフリ韓国ドラマは卑しいアメドラのダメなところを受け継いでいる。梨泰院クラスみたいなのはもう期待できないかもしれない。