真田ピロシキ

きのう何食べた? season2の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

きのう何食べた? season2(2023年製作のドラマ)
3.8
原作は単行本化されたものを全て読んで、映画までの時と違い今回は話を知った上での鑑賞となる。エピソードの取捨選択と組み合わせが巧み。序盤からかなり後半の散歩と言うより競歩を出してきて、それを前の話とブレンド。よく読み込んだ上での脚本。漫画がグイグイ時間が進むので、本ドラマも状況の変化が目まぐるしくシロさんもケンジも職場での立場が大きくなり、人間関係はケンジ家族とシロさんがご対面し、佳代子さん夫婦とケンジもようやく顔を合わせてお約束に安住はしない。今はシロさん両親を通してだが、いずれ訪れる老いへの視点が特に同性カップルなので現実的な課題として投げかけられる。家族になりたくても養子になりたいわけじゃない。そりゃそうだろう。分かるか?聞き流す力しかない無能増税メガネ。

次のシーズンがあればもっと踏み込むであろう。オープニングではレギュラーとなっている小日向とジルベールのあれがあるし。このオープニングはシロさんケンジ、小日向・ジルベールがレギュラーで他にそのエピソードでスポットライトを浴びる人物が映されてて面白い趣向。新しい登場人物で面白いのはタブチ君の彼女千波さん。お菓子作りを黒魔術と言うユニークな感覚を再現。どんどん脇役も目立つのがこの作品の特徴。ただシロさんの事務所は本作の中では若い志乃さんの結婚などはスルーされてて、なるべく手間をかけない料理をする新入り事務員山田さんは未登場。山田さんは事務所で唯一シロさんがゲイであることに勘付いている人なので結構大きい存在だと思うのだけど次シーズンに回すのかな。

気になった点はシロさんがもしもの時の遺産相続手続きでケンジに「この先の人生で遺産を残したいと思うのはお前だけ」と言うのが原作では心の声だったのに対し、ドラマでは口に出していること。ドラマ版のシロさんは漫画よりも惚気度が高い素直なオジサンなのか。