ウシュアイア

未成年のウシュアイアのレビュー・感想・評価

未成年(1995年製作のドラマ)
3.6
野島伸司脚本のTBS三部作の『高校教師』『人間・失格~たとえば僕が死んだなら』に続く三作目。

思春期の少年たちの大人たちへの反発、がテーマ。
未成年はなんだかんだ言って大人や社会に守られている立場にも関わらず、それが分からず反発していたことに後になってわかるものだ、というメッセージが隠されていたことにも気がつく。

ストーリーは非現実的だが、生々しいドロドロした高校生の感情が描かれていて共感できるポイントは多かった。
特に保身のためにヤクザの舎弟で友人のゴロの事を知らないと泣きながら言ううシーンがとても印象に残っている。

ただ、モカが浮世離れした性格で、ヒロインとしてどうなのかとは思った。

内容以上に、まずデク(香取慎吾)が着ていたO次郎のTシャツが欲しかった、というのがよく覚えている。


ー登場人物
ヒロ:優秀な兄にコンプレックスを抱く高校3年生
デク:知的障害をもつ無垢な少年
ゴロ:ヒロの中学の同級生でヤクザの舎弟。
ジュンペイ:ヒロと同じ高校に通うヒロの親友。野球部。カーコに想いを寄せている。
ツトム:有名進学校に通う高校3年の優等生。
モカ:ヒロの兄の彼女で、ヒロの家庭教師。ヒロが想いを寄せている。重度の心臓病を患っている。
瞳:ツトムが想いを寄せる女の子。
カーコ:ヒロとジュンペイの同級生の女の子。ヒロに思いを寄せている。

ーストーリー
ヒロがゴロと再会し、ツトム、デクと出会い、ジュンペイを加えて仲良くなる。ジュンペイは甲子園をかけた野球部の試合でベンチ入りするが、出番の時にミスをして試合に負けてしまい、それ以来後輩にいじめられる。その報復にゴロは後輩をボコボコにしてけがをさせてしまい、ヒロはゴロとの交遊から大学の推薦を取り消されてしまう。

その後、ゴロはヒロたちとの交流から堅気になろうと足抜けしようとするが、同棲中の彼女を殺されてしまい、その報復の報復で追われる身に。

デクは両親が営む工場が金策に苦しみ、ゴロがもっていた拳銃を持ち出し、銀行強盗未遂をして、拳銃を発砲し、追われる身に。

ヤケになったヒロは夜の職員室に忍び込んで荒らしてしまったことから、デクとゴロと逃げることに。そこへ、病気を理由に兄との交際を断られて心の拠り所を失ったモカ、家庭教師の子を身ごもった瞳を連れて家出したツトム、巻き込まれるようにしてジュンペイとカーコが合流し、逃避行の末、警察から逃れるうちに山奥の廃校に立てこもることになる。
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