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愛のむきだし 最長版 THE TV-SHOWのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

愛のむきだし 最長版 THE TV-SHOW(2017年製作のドラマ)
5.0
幼い頃に母を亡くし、神父の父テツ(渡部篤郎)と二人暮しのユウ(西島隆弘)、
理想の女性“マリア"に巡り合うことを夢見ながら、平和な日々を送っていた。
しかしテツが奔放な女サオリ(渡辺真紀子)と出会ってから生活が一変。
やがてサオリがテツのもとを去ると、テツはユウに「懺悔」を強要するようになる。
父との繋がりを保つために不良と付き合い、万引きや喧嘩など悪い事をやりたい放題し、盗撮という罪作りに没頭していくユウ。
そんな彼はある日、仲間内の罰ゲームで「女囚さそり」の女装している最中に、ついに理想の女性ヨーコ(満島ひかり)と巡り合う・・・。ヨーコは、ユウにとって義理の妹。
だがヨーコは、コイケ(安藤サクラ)たち新興宗教ゼロ教会に狙われていた。
園子温の代表作「愛のむきだし」の完全版ドラマシリーズ。
聖母マリアのような運命の女性との愛を求めて、牧師の父親への反発から日夜女の子の盗撮に熱中するユウ。
ジョーン・ジェットやパティ・スミスのようなカッコいい女性に憧れ、カート・コバーンとイエス・キリスト以外の男を憎んでいるヨーコ。
キリスト教信者の父親に虐待され、罪を背負っている自分に似たユウに興味を持ち、ユウを手に入れるためヨーコを誘惑するコイケ。
3人の三角関係を軸に、「神とは?」「信仰とは?」「愛とは?」を突きつめた黙示録的なドラマが展開する中で、満島ひかりの華麗なカンフーアクションやヨーコとコイケの濃厚な百合描写やユウとヨーコとテツが煩悩まみれになりながら「本当の愛を知る」キリスト教色の強い王道のラブストーリーに、グイグイ惹きつけられた。
中でも、洗脳されたヨーコを脱洗脳しようとするユウに、ヨーコが「コリントの使徒への手紙13章」を絶叫調でそらんじるシーンは、「本当の愛とは?」「正しいのは信仰か?世間か?」という宗教をテーマにしたストーリーで、かなり鋭くタブーに斬り込んだ名シーン。
「普通を装う人間や家族の変態な歪みを抉るパンクなホームドラマ」や「男たちが入り込む隙がない濃厚な百合系の愛憎劇」など、園子温監督作の定番の荒々しい原石が散りばめられた。「むきだしの純愛」が詰まったラブストーリードラマ。
西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラ、渡部篤郎、渡辺真紀子の爆発的熱量の演技に、惹きつけられた。
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