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お母さん、娘をやめていいですか?のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

5.0
娘、早瀬美月(波瑠)25歳。母、早瀬顕子(斉藤由貴)50歳。美月の中学受験や大学受験、就職の時もいつも二人三脚で頑張ってきた。
美月は完璧な母のサポートで順調に育ち、今は女子高の英語教師となり、母であり一番の親友である顕子を全面的に信頼していた。
二人はまるで恋人同士のように仲の良い母娘だった。この母娘の密着を父、浩司(寺脇康文)は気にかけていたものの、仕事一筋で二人の関係に踏み込むことができないでいた。そんなとき、新築中の早瀬家を担当するハウスメーカーの松島(柳楽優弥)が、不思議な人懐っこさで二人と親しくなる。顕子は彼を気に入り、美月とつきあうように背中を押すが、美月は松島と会うことで、自分が無意識に母親の顔色を見て生きてきたことを自覚していく。顕子は娘が次第に変わり、自分から離れて行くことに動揺し、自分の一番大切なものを奪われたくない、と次第に心の奥の危険なスイッチが入っていく。そして、ついに松島を誘惑してしまう―
朝ドラ「あさが来た」では快活でバイタリティー溢れる主人公を演じた波瑠が、母の期待通り教師になり、母が自分に勧める似合う服を着るなど母の言いなりに生きつつも密かにストレスを抱えてきた美月を、抑えた演技で丁寧に演じた。 
斉藤由貴は、自分が叶えられなかった教師を娘に託し、娘を溺愛する顕子を熱演。
母と娘の友達親子の関係の奥にある母の娘に対しての束縛と嫉妬、母は自分が母に愛されなかった分娘に愛されたかった、娘は母に愛されたいために娘は自分を押し殺した、娘の中で眠っていた自分の本心を目覚めさせたのは母に捨てられた青年。
行きつ戻りつしながら母の呪縛を解き放っていく美月の成長、娘が自我に目覚めて自分から離れることを認められず徐々に常軌を逸していく顕子の暴走する愛、母と娘の密着を止められなかった美月の父親の父親としての再生、母への未練を捨てることが出来た美月の彼氏、母と娘の密着愛や呪縛についての本を書いている信田さよ子さんが監修しているだけに母の呪縛に苦しむ娘や娘を呪縛してしまう母の描写がリアルなヒューマンサスペンスドラマでした。
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