学習塾『おのでら塾』で講師をする潮ゆくえ（多部未華子）は幼い頃から二人組を作ることが苦手だったと感じている34歳。しかし、ゆくえには学生時代から気を許せる赤田鼓太郎（仲野太賀）という唯一無二の男友達がいる。
出版社『白波出版』に勤める春木椿（松下洸平）は、結婚を間近に控えた36歳。子供の頃から二人組になれなかった椿だが、妻というパートナーを得ようとしていた。
深雪夜々（今田美桜）は、美容院『スネイル』で働く26歳の美容師。１対１で人と向き合うことに怖さを感じている。
27歳の佐藤紅葉（神尾楓珠）は、コンビニで働きながらイラストレーターを夢見ていた。
紅葉は、小さい時から１対１で自分に向き合ってくれる人がいないという思いを抱えている。
ゆくえはいつものように赤田とカラオケで会っていた。普段と違っていたのは、赤田が結婚すると告げたこと。
数日後、ゆくえは赤田から突然の別れを告げられる。赤田の結婚相手がゆくえという女友達の存在を快く思わなかったからだ。
椿は恋人・小岩井純恋（臼田あさみ）と新居の家具選びなどを楽しんでいた。
だが、椿は純恋を“彼女の男友達”に持っていかれてしまい、結婚は白紙に。
夜々は美容師の同僚と2人で飲みに行くのだが、友達以上の関係を迫られ、なぜ普通の友達でいられないのかと辟易。
そんなある日、紅葉はとある住宅を訪ねる。家から出てきたのは椿。紅葉が訪ねた人はすでに引っ越していて、そこには純恋と暮らすはずだった椿が住んでいたのだ。
そこに、ゆくえと夜々も訪れ、年齢も性別も過ごしてきた環境も異なる４人の男女が顔を合わせ、ふたり組みになることが苦手な4人が自然に集まって心を通わせていく。
社会現象とも呼ばれた『silent』の村瀬健プロデューサーと脚本家・生方美久が再タッグ。
“男女の間に友情は成立するのか？”だけでなく異性間の関係性や多数の価値観との衝突や葛藤や折り合いの付け方をテーマに、年齢も性別も過ごした環境も違う４人の友情と愛情の物語を描く！
くすっと笑って、ふわっと泣ける。愛すべき登場人物たちを優しい気持ちでずっと見つめていたくなる、そんな優しいドラマ。
人に合わせてばかりいて、他人の気持ちを汲みすぎてふたり組みになるのが苦手なゆくえ。
母から押し付けられてる価値観や容姿しか見てもらえない世間と葛藤しながら、１対１になるのが苦手な夜々。
誰とでも仲良く出来るけど、自分にまっすぐ向き合ってくれる人がいないという悩みを抱えている紅葉。
周りの要求に応えているいい人だけど、愚痴や悩みを打ち明けるのが苦手な椿。
「嫌いなポジティブワード選手権」「ゴミ袋の袋はゴミか」「大切なものがゴミになるのはどんな時」「異性間の関係性の他人の捉え方」などの坂元裕二脚本張りのリアルな会話の中で、多部未華子や今田美桜や松下洸平や神尾楓珠の若手演技派俳優のナチュラルなアンサンブルが楽しめる会話劇、「ふたり組みになるのが苦手」な4人が、テーブルを囲んで食事したりお茶を飲みながらゆっくり自分が苦手な人やものや悩みを打ち明けながら、ゆっくり心を通わせる中で支え合い、自分の苦手なものや人を4人が許容し合うことで「異性がふたりでいると恋愛に見られる」「恋愛と友情の優先順位」「簡単に表面で決めつけてくる世間」などに向き合って上手く折り合い戦えるように成長して、多様な価値観が許される多様性の世の中で「価値観は認めなきゃいけないのに、人の間違いはあげつらう不寛容な世の中」や同調圧力に苦しみながらも同じ生きづらさで共感し合い支え合う坂元裕二の「カルテット」「問題のあるレストラン」などのような青春群像劇がリリカルかつリアルで、4人と共通の知り合いで似たような生きづらさを抱える美鳥（田中麗奈）やゆくえの塾に通う保険室登校の高校生の望月（白鳥玉季）と4人の交流の中でよりテーマが広がっていて、「他人の価値観は、理解しなくていいし、干渉しなくていいし、自分とちゃんと向き合ってくれる人だけ大事にすればいい」と同調圧力に疲れた大人が見ると癒される肩の力が抜ける青春ドラマ。
「何が嫌いか話して分かり合えたら、生きやすくなった」
