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夜行観覧車のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

夜行観覧車(2013年製作のドラマ)
4.7
2013年1月、高級住宅街ひばりヶ丘に住む高橋家の夫・弘幸(田中哲司)が自宅で何者かに襲われ、死亡する。直後には次男の慎司(中川大志)が姿を消した。そして妻の淳子(石田ゆり子)も…。
おなじくひばりヶ丘に暮らす遠藤家では、娘の彩花(杉咲花)が荒れ、夫の啓介(宮迫博之)も何かに怯えている。
遠藤家と高橋家に何が起こり、何が彼らを変えたのか。そして、殺人事件を追う刑事・結城(高橋克典)が謎にせまる…。
遡ること4年前の2009年、憧れの高級住宅街ひばりヶ丘へ念願叶って一戸建ての家を建て引っ越してきた遠藤家。
夢のような生活が始まるかに思われたが、この街は、自治会婦人部部長の小島さと子(夏木マリ)を中心に街のしきたりや近所づきあいなど全てを仕切り、妻・真弓(鈴木京香)や娘・彩花は、事あるごとに彼女たちから嫌がらせを受ける。
唯一の救いは向かいの高橋家。妻の淳子は真弓に気取りなく接し、ひばりヶ丘の先輩として真弓たちを時に救い、家族ぐるみで遠藤家と高橋家は親しくなる。
真弓と淳子は親友のようになり、彩花は高橋家の同学年の息子・慎司に憧れを抱く。
だが、中学受験で同じ私立校を彩花と慎司は目指したが、彩花は受験に失敗し、慎司は合格した。
その後、この街のシンボルと言うべき観覧車ハーバー・アイが完成。この頃から両家の関係は微妙に変化していく…
湊かなえのサスペンス小説をドラマ化。
高級住宅地ひばりヶ丘で起きた高橋家の夫弘之殺害事件の顛末と並行して、ひばりヶ丘に引っ越してきた遠藤家とひばりヶ丘に長く住む高橋家の交流を描きつつ少しずつ明らかになっていく、小島さとこたちひばりヶ丘の古くからの住民の新しく引っ越してきた遠藤家に対する地域のバザーや引っ越しの挨拶やご近所のお祝いランチなど地域のイベントでわざとルールや地域の暗黙の了解を教えなかったり村八分にするような妬みそねみや嫌がらせやマウンティング、遠藤家と高橋家の中にある親子間や夫婦間のすれ違いや葛藤が事件の根本にあり、遠藤家と高橋家に渦巻く親子の確執や葛藤が事件と共に加速していく展開は、家族で一緒に暮らしていく中で誰もが体験するすれ違いや葛藤の延長線上にあり共感しやすく、ご近所同士の妬みやマウンティングが渦巻くどろどろした展開の中でも揺るがない遠藤真弓と高橋淳子の母親同士の友情や親子の絆が、心揺さぶるサスペンスドラマ。
鈴木京香、石田ゆり子、夏木マリの熱演も良いが、ブレイク前の杉咲花や中川大志の生々しい熱演が、印象的。
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