このレビューはネタバレを含みます
【第一話】
そうか、ドリュー・ゴダードだったのか。
盲目で弁護士でボクサーでカトリックってキャラ渋滞してんな笑
最後の、今後の展開を予期させるようなモンタージュはダサかった。
【第二話】
ロザリオ・ドーソン。
カレンがフォギーに惚れるくだりが良かった。
しかし如何せん話の進みが遅いな……笑 一話一時間で1シーズン13話がシーズン3まであって、この進みの遅さ。
映画や、Disney+の短いシリーズに慣れてしまっているとこの普通の尺のドラマ見るのがしんどい。
最後の長回しのアクションは、シチュエーションや照明の感じも含め『オールド・ボーイ』を思い出した。意識してると見た。
【第三話】
ようやくキングピン登場。
やっぱドノフリオ完璧なキングピンだな。
この話は法定ものとしてちゃんと面白かった。エピソードに振り幅作れて、デアデビル良いキャラだな。
犯人役の俳優いい顔。アレックス・モーフ。なんか『マインドハンター』の凶悪犯役とかでも出てそうだなと思ったら本当に出てた。刑事役だったけど。そっちで先に見てて見覚えあったんだな。
【第四話】
これは良い回だ。キングピンの面白さが出てる。
スパイダーバースでもそうだったけど、デカいハゲのオッサン(しかもデブに見えるけど贅肉ではなく筋肉の塊)なのに、ロマンチストで悲しげなんだよね。
本当に良いキャラだよなー。やっぱ『ホークアイ』で死んじゃったんだとしたら残念すぎる。
いや、明確に死んだ描写はなかったからまだマーベル的にはセーフだと思う。
普通の人になって普通の日常を送ってみたい、ってヒーローが考えてることは多いけど、ヴィランがそう思ってることあんまないもんなー。
ドノフリオ、CG無しでサノスみたいな顔してる。考え方も含め、キングピンは小規模なサノスって感じする。
【第五話】
フォギーとカレンがいい感じになるプロセスが随分ゆっくりだなと思うけど、それぞれのエピソードを繋ぐモチーフというか構造?が男女のロマンスなのが面白いな。悪役も含めて。
ロザリオ・ドーソンがすごくいい。怖い女の役をやってるのしか見たことなかったから、こんな役も合うのかって新鮮。
最後の爆発、もっとサスペンスフルにもできそう。演出が、下手ではないけど極上ではないって感じがする。
盲目の中国人が不気味、ってちょっと差別的な描写な気もするけど、おいポリコレ!とは言いません別に。
ただ日本語の残念さは相変わらずだなと。ハリウッド、ここはいつになったら改善するのかね。
【第六話】
キングピンが頼れる上司すぎる。
仕事人として正しい。不測の事態が起こっても冷静で、常に取引先に対して誠実で、無駄な小細工をしようとしない。成功する人ってのはこういうことなんだ、と思う。見習いたい。
ターニングポイントになる大事な話っぽい。ここからマットは”デアデビル”としての決意をさらに固めていくんだろう。
【第七話】
師匠がいたのか。どこで格闘術を会得したのかと思っていたが。
勝手にドント・ブリーズ師匠と呼ばせてもらおう。
主人公の強さ設定が良い。最初からは強すぎないのが、今後の展開を見据えてる。
宇宙人と闘えるほどのスーパーパワーはない主人公が地元のために正体を隠して闘うだけの話だから、マーベルの映画では描けない規模感の話が描けているのが良いし、勧善懲悪になりがちな映画シリーズと比べて善悪がグラデーションなのも良い。ビジランテものの醍醐味。
一番バットマンに近い。特にノーラン版を思い出すけど。
移民の住む貧困街の話は『イン・ザ・ハイツ』とか『マザーレス・ブルックリン』を思い出す。あのアレック・ボールドウィンはキングピンっぽい。
冒頭殺される人の日本語は珍しく聞き取れた。
今更ながら子供マット役のスカイラー・ゲルトナーって『オザークへようこそ』の弟か。見たことあると思ったら。
【第八話】
完全にキングピン主人公回。
素晴らしいヴィラン誕生譚。
元は優しいママが大好きな気弱なおデブちゃんだったのね。それがクソ親父のせいで狂わされてしまったと。
ちょっと『ハロウィン』も思い出す。特にロブ・ゾンビ版。
『ヴェノム』とか『スーサイド・スクワッド』みたいなヴィラン主人公の映画にはこういうものを求めていたのかも。『ジョーカー』にすら。
できるはずじゃん。めちゃくちゃ悪い奴を魅力的に描くって。なんだかんだで人助けしてもう普通にヒーローじゃんとか、もしくはすごく哀れだったりとか、しなくていいのにな。
最後の演説は『バットマン リターンズ』のペンギンも思い出したりして。
【第九話】
ノブの日本語のクセがすごいんじゃ。
演じてる役者さんには申し訳ないけど日本語にも字幕つけて欲しい。
赤忍者コスチュームくそだせえ笑笑 モータルコンバットみたいな。
ボクサーに神父との関係はつきもの。ロッキーとカーマイン神父のような。
【第十話】
日本語あんな感じだったし、中国語もきっとネイティブが聞いたら変なんだろうな。でも分かんないもんな。多言語を操るのって難しいよなあ。
フォギー役の人は、フィリップ・シーモア・ホフマンみもあるし、2人の悪友感はサイモン・ペッグとニック・フロスト感もある。
幼い頃に父親に酒を飲まされたって経験もマットとフィスクは共通してる。似てる部分も多いけど、父親が尊敬できる人物だったかどうか、父親から愛を受けて育ったかどうか。それが二人の最大の違いだ。
ボブ・ガントンは悪役やってるところしか見たことないけど素晴らしい悪役顔だよな。
ドノフリオ、オーソン・ウェルズみたいだなと思ったら『エド・ウッド』でオーソン・ウェルズ役やってたのか。
【第十一話】
ウェスリー。このやたら鼻につく男がようやく死んだ。一番初めに死にそうでなかなか死ななかったな。でも死ぬ前に見せ場つくったな。いい死に方だった。
【第十二話】
マット、女の子にコーヒー注がせるなよ。
あの部下、可哀想w ケガが治ったらこんな職場早く辞めな。
マダム・ガオ役のワイ・チン・ホーもどこかで見たことある気がすると思ったら『ハスラーズ』のお母さん役の人だ。
【第十三話】
ヒーローがヒーローになるために必要な死。スパイダーマンにとってのベンおじさん、アベンジャーズにとってのコールソンのような。
結局、このドラマの一番の魅力はキングピンだったな。ウィルソン・フィスクの魅力のおかげでこのドラマは走ってきた。後半はもうほとんどフィスクが主人公と言える。上手くいってたギャングが次第に失墜していく栄枯盛衰モノの型を使っている。
三人が再集結するくだりはもっと慎重に描写するべきだっただろ。そりゃ仲直りするだろうけどさ。そりゃ仲直りするだろうけどさって描き方じゃ一度決裂させたことの意味も薄れて結果すべてがどうでもよくなっめしまう。
「誰も寝てはならない」歌ってるのはパヴァロッティ?ちょっと『シチリアーノ 裏切りの美学』を思い出した。