ブラックユーモアホフマン

ファルコン&ウィンター・ソルジャーのブラックユーモアホフマンのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

【第一話】
大体、海外ドラマの一話目って退屈なのよね。前提も前提の説明って感じで終わっちゃうから。
映画より時間かけられるとは言え、普通にもっと早く展開させて掴んだ方がいいよ。

ただ冗長なだけ。しかも脚本も演出もとても上手いとは思えない、今のところ。ヒネリのないセリフに、何の面白みもない演出。ちょっと酷いレベル。

黒人で軍人で空を飛ぶヒーローって点で、ローディがサムの先輩たり得るという新しい関係性を見せてくれたところだけは面白かったかな。

んー『ワンダヴィジョン』が面白すぎたかな。

サム、海の男だったのか。船を修理したり、出資をお願いしに行くくだりはアブデラティフ・ケシシュの『クスクス粒の秘密』を思い出したな。

【第二話】
『ザ・ボーイズ』っぽい始まり方。偽物ヒーロー感も相まって。

新キャプテン・アメリカ役、ワイアット・ラッセルか!『エブリバディ・ウォンツ・サム!!』のアイツ大好きだった。
髭剃るとこんな顔なのか。腹立つ顔してるな笑 ハリー・メリングにちょっと似てる気が。親子でMCU出てるのは初じゃない?

ウォーカーも、今のところ何か悪いことをしたってわけではなく、彼なりに頑張ってるんだとは思うけど、サムやバッキーからしたら、なーんかいけ好かねえんだよなあコイツ、って、そう思う気持ちはなんか分かるのよね笑 現実にもそういう人っているよね。

絶対、バキ翼が久々に会うところまで一話に入れるべきだったろ。セバスチャン・スタンかっこいいな。

メタ的なセリフで笑わせるのとか嫌い。デップーかRDJのアドリブしか許せない。ドラマならそういうセリフもアリかな、じゃないのよ。少なくともアンソニー・マッキーには板についてないな。

ノリが一番近いのは「エイジ・オブ・ウルトロン」かな。夫婦漫才的な言い争いしながら闘う、関係性萌えアクション。
黒人と白人が喧嘩しながら協力するバディものって「マイアミ・バイス」とか『リーサル・ウェポン』とかみたいでいいね。(チャニング・テイタムとジョナ・ヒルなら『ダイ・ハード3』って言うね。)

黒人スーパーソルジャーがいたことが隠されていた。面白いな。
その後、バッキーと言い争いをしてただけでサムが警官にIDを求められる流れで、完全にこのシリーズの狙いが見えた。ライアン・クーグラーが関わってないのが不思議なくらい、そういう話だ。

ダニエル・ブリュールは大好きな俳優なので、再登場は嬉しいです!

【第三話】
なんかジモ、刑務所暮らしで腹出て(ちゃんと役作りとして太ったのかな)一層ただのオッサンだな。
そこが面白い。やっぱルッソ兄弟はヴィランの立て方が秀逸だった。アレクサンダー・ピアースも、サノスも。

音楽の流れない静かなシーンが結構あるのが好印象。ちなみに音楽は当然、ヘンリー・ジャックマン。

三話と四話は『ジョン・ウィック』シリーズとかのデレク・コルスタッドが脚本に入ってるみたいなんだけど、こんなに分かりやすいことある!?www
もうあなた、ネオンノワールアジアンサイバーSF世界でアクションさせたがりすぎでしょ!!笑 トンデモアジア描写オモロw

このコンテナのアクションシーンはいいぞ。キャプテン・アメリカシリーズらしくて。『ブラック・ウィドウ』のアクションより全然面白い。
エミリー・ヴァンキャンプってすごく魅力的なのにMCU以外であんまり活躍してないの不思議。引っ張りだこになりそうなのに。

ちょっとセリフがどれも説明的すぎる。工夫が欲しい。

お〜ワカンダも関係してくるか。作曲家が各作品のシンボル的な音とかメロディを引き継ぐのも面白いよね、MCU。よく連携が取れてる。

【第四話】
精神を病んだキャラ、山にこもって修行しがち。ブルース・バナーも、ワンダも。

ジモ、クソ金持ちなのウケるな。常に金持ちは強い。トニー・スタークもブルース・ウェインも。

性善説vs性悪説。アベンジャーズvsサノスの構図にも似てるかもしれない。
X-MENシリーズにも似てる。プロフェッサーXとマグニートー。
生身のサムと半超人のバッキー、品位のないウォーカーと憎しみを持ったジモ、そして力を持ったカーリの五者間の考え方が対立する。スティーヴ・ロジャースを失った世界で残された俺達はどうしていけばいいのか、そのブレインストーミングみたいなドラマシリーズだ。様々な議論が交わされる。

あードーラ・ミラージュとの乱闘中も優雅に酒飲んでるジモいいなぁ。キャラクターがよく出てる。やっぱダニエル・ブリュール良い役者だわぁ。

ウォーカーはスパイダーマンのヴィラン的なキャラだな。とてもアメコミ的、というかそれってスタン・リー的なキャラなのかも。そこまでアメコミ詳しくないけどなんとなく。魅力的なキャラだなあ。スーパーヒーローランディングがあんなに怖いことなかったぞ。復讐の鬼と化してしまった。しかしスティーヴはバッキーを一度失った時、こうはならなかった。やはり盾の器じゃない。

面白くなってきたぞ。一話の時点では期待できなかったけど、アクションシーンが始まってみたら面白い。普通の人間ドラマ的な演出が下手なんだな。

ちなみに監督の名前もカーリ(カリ・スコグランドと表記されるけど)なのは偶然?

【第五話】
いいぞワイアット・ラッセル、いいヒール役だ。オイシイぞ。やっぱ髭濃いな。

カーリたちの戦い方、現代的だな。スマホ、SNSを使いこなす。若い戦い方。香港のデモとかみたいな。(もちろん彼らはヴィランじゃない)

ヴァル、何者だ。『ブラック・ウィドウ』のポスクレシーンでピューと一緒にいた。力を持ってる人たちをスカウトして回ってる??フェーズ1のフューリー的なキャラか。フューリー今宇宙だしな。地球で代わりにやってるみたいなことだろうか。

バッキー右利きなんだwww いいね、ここに来てほのぼのシーン。いい構成。急にここだけFOXサーチライトの映画みたい。

『ワンダヴィジョン』もだけど、セラピー映画(映画じゃないけど)だよね。今度はグループセラピー。世間からの偏見に悩むサムとPTSDのバッキー。

船を売る話と盾を手放す話が重ねられてたんだな。今気づいたよ、よく考えてんじゃんか!!

トレーニングシーン!!ロッキーだ!!いよいよライアン・クーグラーが絡んでない意味が分からないな。

【第六話】
バトロックいたな。ラムロウ(フランク・グリロ)の方が印象強くて忘れてた。

ついに二代目キャプテン・アメリカの誕生!しかしコスチュームが原作通りとは言えさすがにちょっとダサいな!ww もうちょい渋いデザインでもいいよ。

ウォーカー!!!個人的な復讐か、人命救助か。一線を踏み越えなかった。泣ける。やっぱ一番いいキャラ。お調子者だけど憎めないな。今後も出てきそうで嬉しいよ。

よく考えたら、キャップの武器が盾ってのも象徴的だな。傷つけるためではなく、あくまで防御のための道具。投げて攻撃したとしても、殺すことはない。緋村剣心の逆刃刀的な。
ウォーカーはリンカーンの言葉を引用したけど、決して攻撃しないサムの闘い方はガンジー、キング牧師の非暴力の思想を想起する。

サムはシャロンとジモにもっとキレるべき。彼らにも死んで欲しくなかった。それでハッピーエンドっていうのもな。なんかそこは納得いかないけど。

しかしシャロン、ダーティなキャラになったなぁ。それもまた魅力的だ。特殊能力は何もないけど裏社会と通じてて強いキャラ、『アイアンマン2』のジャスティン・ハマー(サム・ロックウェル)とか『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』のユリシーズ・クロウ(アンディ・サーキス)みたいな。

最後の曲はカーティス・ハーディングの「On and On」って曲らしい。そこはマーヴィン・ゲイとかじゃないんかい!!と思ったけど。ケンドリック・ラマー流れてもおかしくないラストだった。