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新春ドラマ特別編「下町ロケット」のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.8
全員の力を結集し、ようやく完成した佃製作所と帝国重工の無人トラクター「ランドクロウ」。しかし、発売から数週間経ったあとも売り上げが伸びずにいた。一方、ギアゴースト&ダイダロスが手掛ける「ダーウィン」は好調そのもので、差は開くばかり。
形勢逆転を狙う帝国重工の次期社長候補・的場(神田正輝)は、ある手段に出る。それは、ダーウィンチームに力を貸し、なおかつ帝国重工の取引先である下請け企業に圧力をかけるというものだった。それにより、徐々にダーウィンチームから離脱企業が増え、ついにはダーウィンの在庫が底をつく。その上、ダーウィンは、システムトラブルのクレームが相次いでいた。
思わぬ形でライバルの勢いを止めた佃(阿部寛)ら佃製作所のメンバーだったが、自分たちの技術力による正当な評価ではないため、心境は複雑なものだった。逆に、窮地に立たされた重田(古舘伊知郎)と伊丹(尾上菊之助)は思わぬ一手を放った。競合する佃製作所に技術を貸して欲しいと申し出をした。佃製作所は、これまでの経緯から断った。一方、財前(吉川晃司)は、「ランドクロウ」の販売実績を上げるために、「ランドクロウ」のキャラバンを地方自治体に派遣することを佃に提案する。ダーウィンのトラブルで農作業に支障をきたしていた農家はランドクロウを使用するようになって、ランドクロウの販売実績が徐々に上がってきた。
そんな時に、殿村(立川談春)の畑がある地域に、台風が接近していた。ダーウィンとランドクロウの無人コンバイン開発競争の決着は、どう着くのか?
下町ロケット、シーズン2完結編。
無人コンバイン開発競争を優先する中で、クレームを自分のプライドを守るために隠蔽するエンジニア、開発競争に勝つために下請けに圧力をかけるなどの企業間の開発競争の闇を描く一方、地方自治体と無人コンバインのキャラバン派遣や企業間の技術貸与など、企業間の開発競争の良い部分を描くことで、企業やエンジニアの小さなプライドより大きな目標のために力を合わせようという決着は、日本経済の低迷を破るヒントが学べる以上に、真の佃プライドを描いていて、胸熱くなるドラマ。
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