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サギデカのdarumaのレビュー・感想・評価

サギデカ(2019年製作のドラマ)
4.0
「100万回言えばよかった」の安達奈緒子脚本でタイトルがちょっとあちらに絡んでる?と思い録画消化を兼ねて鑑賞。結論、めっちゃよかったー!流石NHKクオリティの真摯感、だけど結構スッキリ終わる!

全5話で最初は振り込め詐欺、次が投資詐欺と様々な詐欺を各話で描くのかな?と思いきや、振り込めが最後まで引っ張ります。最初は誰も知らないじゃん!!と思いましたが(?これネタバレか??でもそこは肝ではあるがわりと序盤で解るのでOKかな?)3話くらいからみるみる引き込まれて行って(いや1話も2話もよかったけど!)、続きが観たくて観たくてしょうがなかった。結末が安易じゃないのもいい。物凄く悲観的でも楽観的でもない。でも希望のある終わり方。

初回は清水尋也くんの普通っぽさ(主演の木村文乃さんの同僚若手刑事役)がめっちゃいいなぁ!と安定の脇役堪能(私それ大好き、笑)をしていたところ、とんでもなかった…!完全に高杉真宙くんに持ってかれた!!彼がめっちゃめちゃいい役です。

善と悪、どっちに振れるのかわからない…そんな曖昧さと実際の心の揺れ、そして木村文乃さんとそういう感じ(いい仲)ではないんだけど、向き合うシーンで背の高さが!!キュンしかないやろ!!!^^

(木村さんって背低いのかな…?思わず今、身長を確認してしまった、164!全然低くない。高杉くんが思ったより高いのか…?170!全然高くない(驚)じゃああれは演出か!凄)

とにかく、そういう仲じゃないのにそう見えるシーンというのが、なんかもうグッと来すぎた。警察官と詐欺に手を染めた若者、姉と弟のような、保護する側と庇護を受ける側、年齢も含めてそういう感じの設定だと思いますが、木村さん演じる夏蓮は正義感はとても強いが脆くて弱い秘密があり、また高杉くん演じる加地にも生育環境の複雑さに反して物凄く頭が切れるという相手を包容できる能力があり、この対峙のシーンがめちゃめちゃよかった。

ほかの脇キャストも好みすぎて!
まず玉置玲央さん!
個人的に映画「教誨師」からとってもお気に入りの方です。
本作は最初、ビジュアルがちょっと…と思いましたが(笑)、途中のシーンを見て「これか!!」と思った。御本人がこのドラマで憶えて貰った人も居ると仰られてたような…それくらいインパクトのある役(シーン)です。

(余談ですが彼と清水くんは安達脚本の朝ドラ「おかえりモネ」に出てますね。ここだったのか!)

あと、2話ゲストに筒井真理子さん!
先にも書きましたが、誰も知らない感に続く映画感!
(深田晃司監督の女神…^^)

3話は古川琴音ちゃん!
彼女は手足が長いのか、本作ではめっちゃくちゃスラっとしてるように見えて(軽く踊るシーンがあります)、意外と背が高いなぁ…!と改めて思った。(以前映画作品でも同じことを思った)

長塚圭史さん、青木崇高さんはもう、ど安定感しかない。
個人的に青木さんのお芝居は特に好きな部類ではないんですが(本作はこれまた役どころが)、言ってることがどんどん正論に思えてくる所が凄すぎた…これはどんな話にでもいえる事だと思うが、真剣にそう思ってる人にとっては、それは正論で間違いない。彼にとっての正義。その説得力がありすぎてうますぎた。

ストーリー全体を見ても、ある事柄が「この人にとっては悪でも、この人にとっては正」みたいな、物事の二面性を見事に表していてよかった。実際の社会ってそういうものだと思う。別に悪い事をしようと思ってする訳じゃなくて(そりゃやむにやまれずする人も勿論たくさん居ると思うけど、特に追い詰められている場合は)、意見がぶつかるから対立側は悪に見える、突き詰めるとただ、その信念が自分とは違っただけ…受け入れられない事も人としてやってはいけない事もあると思うけど、その基準って何だろうと思ってしまう。

凄く正義感が強い彼女が、揺れている、自分の価値基準が揺らぐシーンがとてもよかった。


(余談追記)高杉真宙くんは直近で映画「ナニワ金融道」を観てるんですが、ちょっと連想した。お金関係の作品、なんか似合う。
木村文乃さんは観てないんだけど「七人の秘書」が浮かんだ。バッサバッサと斬っていく感じ?(違ってたらすみません!)

NHKのもろもろとかも含めて(高杉くんは今の朝ドラ「舞いあがれ!」出てる。あと来年の大河「光る君へ」の出演決まってる)、昔の作品を観ると、ほんと今(後続の作品)に繋がってるなぁ…!と思う。
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