こたつむり

ピュア!〜一日アイドル署長の事件簿〜のこたつむりのレビュー・感想・評価

3.0
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『TRICK』を手掛けた蒔田光治さんの脚本。
…ということで『TRICK』と同じ匂いがするドラマでした。

それは主人公の設定からして顕著。
売れないマジシャンが売れないアイドルになっただけなのです。だから、オープニングのナレーションも山田奈緒子っぽくて(自分が売れっ子だと言い張るところとか)色々と微妙な気持ちになりました。

でも、脚本が似ていても、演出は別。
つまり、堤幸彦監督が手掛けていないので、軽妙な脚本だけが浮き上がっていた次第。特に第2話は「呪いで遠隔殺人をする」という事件なので『TRICK』の二番煎じから脱却できていません。

また、演技指導も無いんでしょうね。
浜辺美波さんの表情やしぐさは違和感ばかり。
折角、裏表のあるアイドル(とても腹黒い)という面白い設定なのですから、上辺の言動は棒読み、本音を語る時は熱がこもる…という落差がないと物語が締まりません。

ちなみに製作はNHK(協力に東宝)。
重厚なドラマは定評がある放送局ですが、遊び心が必須のコメディは苦手なのかもしれません。商品名や他局を連想させるパロディとか出せないですものね(「何度目だ、ナウシカ」なんて言えません)。

ただ、本作は長編ではなく全3話。
何かの穴埋めだったのかも…なんて裏読みすれば、粗い部分も許容範囲内。予算も少なかったのでしょう(…の割には、着ぐるみを作ったり、パレードを行ったり…と頑張っていますけど)。

まあ、そんなわけで。
腹黒いアイドルが一日署長を務めている間に事件を解決してしまう!という設定を楽しむドラマ。事件のトリックは安易なものばかりですし、物語が浅い割には演出が重いというバランスの悪さも際立ちますので、鑑賞の際は生温い気持ちで臨むのが吉です。

ちなみに浜辺美波さんの相手役は東出昌大さん。薄っぺらい刑事役がお似合いでした…なんて書いたら、さすがにイヤミですかね。ニヤリ。

※ この感想は数ヶ月前に書いて保存していたものです。
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