こたつむり

プリズン・ブレイク シーズンⅡのこたつむりのレビュー・感想・評価

4.0
★ 自由 銃 壁を超えた先のルール
  十字 you 軛が取れた先に待つ未来

シーズン1のカタルシスから一転。
割と地味な展開が続きますが、ある意味で重要なシーズンだと思います。

何しろ、恋愛映画で言えば告白後みたいなもの。様々な困難を乗り越えてヒロインと結ばれても、現実で大変なのはそこからですからね。最初のうちは何でも新鮮ですが、やがて倦怠期が訪れるのです。

そして、同じ領域に踏み込んだ本作。
これは連続ドラマだから許される展開ですね。

しかも、シーズン1の舞台は閉ざされた場所だったので、物語もギュッと締まって緊迫感が生まれましたが、今回は拡散するばかり。そこで製作者が選択したのは、彼らに共通の目標を与えること。そして、とても優秀でクレバーな“存在”を配置すること。

そう。その“存在”がマホーン。
演じているのはウィリアム・フィクナーですが、他の作品でお見かけすると「あ。マホーン先輩。チッス」と言ってしまうほどに、彼=マホーンの図式が確立。僕的には彼が主人公ですよ。毎日毎日、マホーン、マホーン、マホォォォォォンと言いたくなるほどに最高でした。

勿論、最高なのは彼だけではありません。
まず、ティーバッグ。彼の魅力にメロメロな脚本家たちは、彼のエピソードを競うように書いたそうですが、それも納得の役柄。彼の言動全てに「いいね!」を押したい気分でした。

それと、お待ちかねのベリック。
…ですが、実はまだ本領発揮ではありません。多少は萌芽が見えますが、まだまだ種蒔きの時期。遅咲きの花が最も綺麗なのですから、今は見落とさないようにしたいところです。

まあ、そんなわけで。
シーズン1とは違って単純な構成ではないからこそ、その苦慮を楽しむ余裕を持ちたいシーズン。また、この辺りから主人公にとってお兄ちゃんが“疫病神”だと判明してくるのも…面白いところですね。あの単細胞っぷりにイライラしてしまうんですよ。
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