小田和正の歌が、あの声が音色として沁みる。満島ひかりの表情一つひとつに感じ入り、大竹しのぶはあまりにも上手すぎてちょっと違うかなとも。
被害者家族と加害者家族の、全く逆のベクトルの痛み。一方通行だった痛みが交差するようになる。どこまで行っても埋めがたい距離。でも、会話は時にとりとめなくて、おかしみもある。少しずつ明かされる秘密とともに、のめり込むようにして見た。
大きな山を越えて、裏を確かに走っていたラブストーリーとしての切なさが一気に出た。
希望とか光とかって言葉は、生易しくないけど、誰にだって宿る。