トランティニャン

一流シェフのファミリーレストラン シーズン1のトランティニャンのレビュー・感想・評価

4.5
1話30分×8話、ワーカホリックな店内に没入するには、疲労感がある時が良い。
ダメな邦題から程遠く倍速視聴してるのかと勘違いするほどキッチンは忙しなく騒々しい。そこに頭を悩ますリアルなトラブルとリッチーのFワードが連発され、おいしそうな飯や手捌きが映るのも一瞬だ。シカゴ名物「イタリアンビーフ」をがっついて「うまー」みたいな客もついぞ描かれなかった。

トラブルもケンカも絶えないが、実際みんないい奴。メンタルも問題抱えてるけど支え合って「家族」として成長していく。密度や演出の圧縮度合いは異常だけど真っ当なストーリーでもある。6話までで得たチームとしての手応えを、キャパ越えのオーダーでキッチンが地獄と化す7話でぶち壊し、8話で落ちるとこまで落ちて一発逆転。これだけやってもまだ奥行きがある。

毎話素晴らしいのが伴走する楽曲たち。新旧USロック多め。パール・ジャム、R.E.M.も印象的だが、地元シカゴ出身5話のウィルコが良かった。もちろん最後の曲の使われ方もずるい。
ずるいといえば亡き兄役の役者とその登場のさせ方ね。