たなしょ

次の被害者のたなしょのレビュー・感想・評価

次の被害者(2020年製作のドラマ)
3.8
このドラマはジョセフ・チャンさん主演のサスペンスヒューマンドラマ。

主人公はアスペルガー症候群持ちの鑑識官。 そのため自らが興味のある鑑識活動には率先して行う。しかし、刑事に報告するなどのやりとりやコミュニケーションなどは苦手。周りからは嫌な目で見られるのであった。

そんなある日、とある事件が起こる。
台湾の超有名歌手と思われる女性の溶けた死体がホテルで見つかるのだ。
早速鑑識官として独自に捜査する主人公。調べて見るとどうやら自殺ではなく他殺で事件性が。現場に残っていた証拠品を鑑定しているととある指紋が付いていた。

その指紋とは主人公が疎遠になっていた娘だった。娘とは妻との離婚で長年会っていない状態だった。
娘が事件に関わっていると知った主人公。刑事に報告しなければならないところを隠し独りで事件を追うことに。

娘を探すため必死な主人公は一人の女性記者と知り合い2人は協力することに。
2人で事件を追う際中も、又怪異的な事件が発生。娘の安否が不明な中、次から次へと事件が発生していく...

これはアスペルガー症候群の鑑識官が女性記者と手を組み、事件を解明していこうとるお話。



アスペルガー症候群持ちという主人公をジョセフ・チャンさんは上手く表現していました。自らの興味のある鑑識活動には積極的で周りが制止するも拒み活動。
興味のある事柄を自分の納得するまで追い求めるという特徴が良くつかめており所作や振る舞い、感じ取り方など健常者とは少し違うんだなと良く理解出来ました。

台湾のオリジナルドラマで制作費が1番高いというのもあり事件の描き方はとてもリアル。1話目からグロいシーンがありますが目を背けたくなるようなものはなく、全体的に綺麗に纏まっているためグロ耐性が苦手な方も見ることが出来ると思います。

また最初から最後まで重いドヨーンとした空気感で物語が進んでいきます。
事件の被害者が自殺という選択をすることによって自らの存在証明、及び自殺という道しか選べなくなってしまった苦しみを事件を通して描いています。
生とはなんなのか、死とはなんなのかというのを今一度考えさせられるドラマだと思いました。

不器用ながらも娘に寄り添おうとする主人公。見ていてカッコイイし感動した。
自己中なところも多く見苦しい場面もありますがやはり人間。心はあります。
ラストは父として娘と接していく。話が進むにつれ主人公も変わって行くことに注目です。

それと、終盤にかけて出てくる真犯人にも注目。真犯人と女性記者が刑務所の面会室でのシーン、とても印象に残りました。

女性記者と協力関係というか、バディのようになりますが... この二人結ばれるという世界線.. ないかなぁ。
主人公も女性記者に心許せてる雰囲気感じ取れたし女性記者も自身の経験、体験から親子の関係を良く理解しているからこそ生まれるコンビなのではと思いました。 ラストとか一緒に迎えに行くなんて.. もう夫婦やんって思いながら見てました。

女性記者役のシュ・ウェイニンさん、主人公の娘役のムーン・リーさんとても綺麗だったな。2人とも綺麗なのにタバコ吸うんや.. ってのが衝撃でした笑笑
てかこの作品、登場人物ほぼ紙タバコ吸ってるんです。台湾って喫煙者多いのかなっていう印象を受けました。

最終話最後にはメイキングというか監督や脚本家が伝えたかった思いなどが語られています。全体を通して何を伝えたかったのか、なるほどとなりました。

とても重苦しく暗いテーマのドラマですがオススメな1作だと思います。

シーズン2の公開もあるということで次も見ます👀👀
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